メインメニューを開く
ホーム
おまかせ表示
付近
ログイン
設定
Wikiminatiについて
免責事項
検索
「
かんひも
」を編集中
警告:
ログインしていません。編集を行うと、あなたの IP アドレスが公開されます。
ログイン
または
アカウントを作成
すれば、あなたの編集はその利用者名とともに表示されるほか、その他の利点もあります。
スパム攻撃防止用のチェックです。 けっして、ここには、値の入力は
しない
でください!
<br> '''876 :866:2005/10/14(金) 16:25:05 ID:c2L+VjQX0'''<br> 『かんひも』について。<br> <br> 僕の母の実家は、長野の山奥。信州新町ってとこから、奥に入ってったとこなんです。<br> 僕がまだ小学校3、4年だったかな?その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。<br> そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。<br> 交通も、村営のバスが、朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。<br> そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、<br> その年に限って仲のいい友達が家族旅行でいなくて、両親について行きました。<br> <br> 行ってはみたものの・・・案の定、何もありません。<br> 「デパートやお店に連れて行って」とねだっても、<br> 一番近いスーパー(しょぼい・・)でも車で1時間近くかかるため、<br> 父は「せっかくのんびりしに来たんだから」と、連れて行ってくれません。<br> <br> <br> '''877 :866:2005/10/14(金) 16:30:08 ID:c2L+VjQX0'''<br> 唯一救いだったのは、隣の家に、僕と同じ年くらいの男の子が遊びにきていたことでした。<br> あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、僕とK(仮にKくんとします)は一緒に遊ぶようになりました。<br> 遊ぶといってもそんな田舎でやることは、冒険ごっこと近所の探検くらいしかありません。<br> <br> 1週間の予定で行って、確か3日目の夕方くらいだったと思います。午後3時を過ぎて、日が落ち始めるころ。<br> 夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。田舎の日暮れっていうのは早いもんです。<br> 僕とKは、今まで入ったことのない山に入っていってみました。<br> <br> 始めは人の通るような道を登っていたのですが、気がつくと獣道のような細い道に入っていました。<br> 「あれ、なんだろ?」<br> Kが指差す方を見ると、石碑?が建っていました。<br> 里で見る道祖神ののような感じで、50センチくらいだったでしょうか。<br> だいぶ風雨にさらされた感じで、苔むしていました。<br> <br> <br> '''879 :866:2005/10/14(金) 16:36:06 ID:c2L+VjQX0'''<br> 僕とKは良く見ようと、手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。<br> やはり道祖神のような感じでしたが、何か感じが違いました。<br> 普通の道祖神って、男女2人が仲良く寄り添って彫ってあるものですよね?<br> でもその石碑は、4人の人物が立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?そんな感じでした。<br> <br> ぼくとKは薄気味悪くなり、「行こう!」と立ち上がりました。<br> あたりも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。<br> 「なんかある!」<br> 僕がKの手を引いて歩き出そうとすると、Kが石碑の足下に何かあるのを見つけました。<br> 古びた4センチ四方くらいの木の箱が、半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。<br> 「なんだろう?」<br> 僕は嫌な感じがしたのですが、Kはかまわずに木の箱を掘り出してしまいました。<br> <br> '''881 :866:2005/10/14(金) 16:39:47 ID:c2L+VjQX0'''<br> 取り出した木の箱はこれまた古く、あちこち腐ってボロボロになっていました。<br> 表面には、何か布?のようなものを巻いた跡があり、墨か何かで文字が書いてありました。<br> 当然、読めはしませんでしたが、何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。<br> 「なんか入ってる!」<br> Kは箱の壊れた部分から、何かが覗いているのを見つけると、引っ張り出してみました。<br> なんて言うんですかね。ビロードっていうんでしょうか?<br> 黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、腕輪のようなものでした。<br> 直径10センチくらいだったかな?輪になっていて、5ヶ所が石のような物で留められていました。<br> 石のような物はまん丸で、そこにもわけのわからん漢字が彫り付けてありました。<br> それは、とても土の中に埋まっていたとは思えないほど艶々と光っていて、<br> 気味悪いながらも、とても綺麗に見えました。<br> <br> <br> '''884 :866:2005/10/14(金) 16:45:31 ID:c2L+VjQX0'''<br> 「これ、俺が先に見つけたから俺んの!」<br> Kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。<br> 「やめなよ!」<br> 僕はとてもいやな感じがして、半泣きになりながら止めたのですが、Kは止めようとはしませんでした。<br> 「ケーーーーー!!!」<br> Kが腕輪をはめた瞬間に、奇妙な鳥?サル?の妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。<br> 気が付くとあたりは真っ暗で、僕とKは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。<br> <br> 家の近くまで来ると、僕とKは手を振ってそれぞれの家に入っていきました。<br> もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど忘れていてのですが・・・。<br> <br> <br> '''885 :866:2005/10/14(金) 16:49:09 ID:c2L+VjQX0'''<br> 電話が鳴ったのは、夜も遅くでした。<br> 10時を過ぎても、まだだらだらと起きていて、母に「早く寝なさい!」と叱られていると、<br> 「ジリリリーーン!」<br> けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。<br> 「誰や、こんな夜更けに・・・」<br> 爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。<br> 電話の相手は、どうやらKの父ちゃんのようでした。<br> はたから見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔が、サアっと青ざめていくのがわかりました。<br> <br> 電話を切ったあと、爺ちゃんがえらい勢いで、寝転がっている僕のところに飛んできました。<br> 僕を無理やりひき起こすと、<br> 「A(僕の名)!!おま、今日、どこぞいきおった!!裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」<br> 爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、僕は今日あったことを話しました。<br> <br> 騒ぎを聞きつけて、台所や風呂から飛んできた母とばあちゃんも、話しを聞くと真っ青になっていました。<br> <br> 婆「あああ、まさか」<br> 爺「・・・かもしれん」<br> 母「迷信じゃなかったの・・・?」<br> <br> 僕は何がなんだかわからず、ただ呆然としていました。<br> 父もよくわけのわからない様子でしたが、爺、婆ちゃん、母の様子に、聞くに聞けないようでした。<br> <br> <br> '''889 :866:2005/10/14(金) 16:52:27 ID:c2L+VjQX0'''<br> とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、隣のKの家に行くことになりました。<br> 爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。<br> 何かあってはと、父も行こうとしましたが、母と一緒に留守番となりました。<br> <br> Kの家に入ると、今までかいだことのない嫌なにおいがしました。<br> 埃っぽいような、すっぱいような。<br> 今思うと、あれが死臭というやつなんでしょうか?<br> 「おい!K!!しっかりしろ!」<br> 奥の今からは、Kの父の怒鳴り声が聞こえていました。<br> 爺ちゃんは断りもせずに、ずかずかとKの家に入っていきました。<br> 婆ちゃんと僕も続きました。<br> <br> 居間に入ると、さらにあの匂いが強くなりました。<br> そこにKが横たわっていました。<br> そしてその脇で、Kの父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんが、(Kの家は爺ちゃんがすでに亡くなって、婆ちゃんだけです)<br> 必死に何かをしていました。<br> Kは意識があるのかないのか、目は開けていましたが焦点が定まらず、口は半開きで、<br> 泡で白っぽいよだれをだらだらと垂らしていました。<br> よくよく見るとみんなは、Kの右腕から何かを外そうとしているようでした。<br> それはまぎれもなく、あの腕輪でした。<br> が、さっき見たときとは様子が違っていました。<br> <br> <br> '''890 :866:2005/10/14(金) 16:54:36 ID:c2L+VjQX0'''<br> 綺麗な紐はほどけて、よく見ると、ほどけた1本1本がKの腕に刺さっているようでした。<br> Kの手は、腕輪から先が黒くなっていました。<br> その黒いのは見ていると動いているようで、まるで腕輪から刺さった糸が、Kの手の中で動いているようでした。<br> 「かんひもじゃ!」<br> 爺ちゃんは大きな声で叫ぶと、何を思ったかKの家の台所に走っていきました。<br> 僕は、Kの手から目が離せません。<br> まるで、皮膚の下で無数の虫が這いまわっているようでした。<br> <br> すぐに爺ちゃんが戻ってきました。<br> なんと、手には柳葉包丁を持っていました。<br> 「何するんですか!?」<br> 止めようとするKの父ちゃん母ちゃんを振り払って、爺ちゃんはKの婆ちゃんに叫びました。<br> 「腕はもうダメじゃ!まだ頭まではいっちょらん!!」<br> <br> <br> '''891 :866:2005/10/14(金) 16:56:19 ID:c2L+VjQX0'''<br> Kの婆ちゃんは泣きながら頷きました。<br> 爺ちゃんは少し躊躇した後、包丁をKの腕につきたてました!<br> 悲鳴を上げたのはKの両親だけで、Kはなんの反応も示しませんでした。<br> あの光景を僕は忘れられません。<br> Kの腕からは、血が一滴も出ませんでした。<br> 代わりに、無数の髪の毛がぞわぞわと、傷口から外にこぼれ出てきました。<br> もう、手の中の黒いのも動いていませんでした。<br> <br> しばらくすると、近くの寺(といってもかなり遠い)から、坊様が駆けつけて来ました。<br> 爺ちゃんが電話したのは、この寺のようでした。<br> 坊様はKを寝室に移すと、一晩中読経をあげていました。<br> 僕もKの前に読経を上げてもらい、その日は家に帰って、眠れない夜を過ごしました。<br> <br> <br> '''892 :866:2005/10/14(金) 17:00:31 ID:c2L+VjQX0'''<br> 次の日、Kは顔も見せずに、朝早くから両親と一緒に帰って行きました。<br> 地元の大きな病院に行くとのことでした。<br> 爺ちゃんが言うには、腕はもうだめだということでした。<br> 「頭まで行かずに良かった」と何度も言っていました。<br> 僕は『かんひも』について爺ちゃんに聞いてみましたが、教えてはくれませんでした。<br> ただ、『髪被喪』と書いて『かんひも』と読むこと、<br> あの道祖神は『阿苦(あく)』という名前だということだけは、婆ちゃんから教えてもらいました。<br> <br> 古くから伝わる、まじないのようなものなんでしょうか?<br> それ以来、爺ちゃんたちに会っても、聞くに聞けずにいます。<br> 誰か、似たような物をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。<br> あれが頭までいっていたらどうなるのか・・・?<br> <br> 以上が、僕が『かんひも』について知っているすべてです。<br> 失礼しました。<br> <br> <br> '''129 :本当にあった怖い名無し:2005/10/16(日) 20:55:25 ID:p7i1wmxX0'''<br> こんばんは。<br> 前スレの『かんひも』の866です。<br> 大勢のみなさんにお気に召していただいて、ありがとうございます。<br> でも、みなさん『かんひも』についてはご存知ないようですね。<br> 僕も、書き込んでから改めて気になり、この土日で母の実家まで行って、自分なりに調べてみました。<br> 残念ながら、爺ちゃんはすでに亡くなっているので、文献と、婆ちゃんの話からの推測の域をでませんが・・・<br> この年になって、久しぶりに辞書を片手に頑張ってしまいました。<br> <br> <br> '''130 :129:2005/10/16(日) 20:57:22 ID:p7i1wmxX0'''<br> 結論から言うと、『かんひも』はまじない系のようです。<br> それも、あまり良くない系統の。<br> <br> 昔、まだ村が集落だけで生活していて、他との関わりがあまりない頃です。<br> 僕はあまり歴史とかに明るくないので、何時代とかはわかりませんでした。<br> その頃は、集落内での婚姻が主だったようで、やはり「血が濃くなる」ということがあったようです。<br> 良く聞くように、「血が濃くなる」と、障害を持った子供が生まれて来ることが多くありました。<br> 今のように科学や医学が発達していない時代。<br> そのような子たちは『凶子(まがご)』と呼ばれて、忌まれていたようです。<br> そして、凶子を産んだ女性も、『凶女(まがつめ)』と呼ばれていました。<br> <br> <br> '''131 :129:2005/10/16(日) 20:58:32 ID:p7i1wmxX0'''<br> しかし、やはり昔のことで、凶子が生まれても、生まれてすぐには分からずに、<br> ある程度成長してから、凶子と分かる例が多かったようです。<br> そういう子たちは、その奇行から、やはりキツネ憑きなど、禍々しいものと考えられていました。<br> そして、その親子共々、集落内に災いを呼ぶとして殺されたそうです。<br> しかも、その殺され方が、凶女にわが子をその手で殺させ、さらにその凶女もとてもひどい方法で殺す、<br> という嫌な内容でした・・・<br> あまり詳しいことは分かりませんでしたが、<br> 伝わっていないということは、余程ひどい内容だったのではないでしょうか?<br> <br> <br> '''132 :129:2005/10/16(日) 20:59:46 ID:p7i1wmxX0'''<br> しかし、凶女は殺された後も、集落に災いを及ぼすと考えられました。<br> そこで、例の『かんひも』の登場です。<br> 『かんひも』は前にも書いたように、『髪被喪』と書きます。<br> つまり、『髪』のまじないで、『喪(良くないこと・災い)』を『被』せる、という事です。<br> どうやら、凶女の髪の束を使い、凶子の骨で作った珠で留め、特殊なまじないにしたようです。<br> そしてそれを、隣村(といっても当時はかなり離れていて、交流はあまり無かったようですが)の地に埋めて、<br> 災いを他村に被せようとしたのです。<br> 腕輪の形状をしていたものの、もともとはそういった呪詛的な意味の方が大きかったようです。<br> また、今回の物は腕輪でしたが、首輪などいろいろな形状があるようです。<br> <br> しかし、呪いには必ず呪い返しが付き物です。<br> 仕掛けられた『かんひも』に気がつくと、掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。<br> それを防ぐために生まれたのが、道祖神『阿苦』です。<br> <br> <br> '''133 :129:2005/10/16(日) 21:00:36 ID:p7i1wmxX0'''<br> 村人は埋められた『かんひも』に気づくと、その上に『阿苦』を置いて封じました。<br> 『阿苦』は本来『架苦』と呼ばれており、石碑に刻まれた人物に『苦』を『架』すことにより、<br> 村に再び災いが舞い戻ってくるのを、防ごうと考えたのではないでしょうか。<br> <br> そして、その隣村への道が、ちょうど裏山から続いていたそうです。<br> 時の流れの中で『かんひも』は穢れを失って、風化していったようですが、<br> 例の『かんひも』は、まだ効力の残っていたものなのでしょうか?<br> <br> 僕の調べた範囲で分かったのはこのくらいです。<br> また、詳しい方などいましたら、ご教授願います。<br> <br> <br> '''134 :129:2005/10/16(日) 21:01:35 ID:p7i1wmxX0'''<br> 最後に。<br> 婆ちゃんに、気になっていたものの聞けなかった、Kのその後を聞きました。<br> Kは、あれから地元の大きな病院に連れて行かれました。<br> 坊様の力か、そのころにはすでに髪は1本も残ってなく、<br> 刃物の切り口と、中身がスカスカの腕の皮だけになっていたそうです。<br> なんとか一命は取り留めたものの、Kは一生寝たきりとなってしまっていました。<br> 医者の話では、脳に細かい「髪の細さほどの無数の穴」が開いていたと・・・。<br> <br> みなさんも『かんひも』を見つけても、決して腕にはめたりなさいませんよう。<br> <br> <br> == 外部リンク == 引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?112<br><br> == コメント == <comments /> <br> [[Category:洒落怖]] [[Category:呪物]] {{DEFAULTSORT:かんひも}}<br>
編集内容の要約:
Wikiminatiへの投稿はすべて、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 (詳細は
Wikiminati:著作権
を参照)のもとで公開したと見なされることにご注意ください。 自分が書いたものが他の人に容赦なく編集され、自由に配布されるのを望まない場合は、ここに投稿しないでください。
また、投稿するのは、自分で書いたものか、パブリック ドメインまたはそれに類するフリーな資料からの複製であることを約束してください。
著作権保護されている作品は、許諾なしに投稿しないでください!
編集を中止
編集の仕方
(新しいウィンドウで開きます)