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イトウって知ってる?
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'''36 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 20:59:44 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> 高校から今にかけて、俺の周りをウロチョロする謎の同級生がいる。<br> <br> 高1の時に言われたのが一番最初。<br> 夏休み明け直後の日だったんだが、いきなりクラスの奴に「イトウって知ってる?」って言われた。<br> 「イトウ?知らないなぁ」<br> 「何言ってるんだよお前と同級生だろ?地元の友達だろ?」<br> 「いや、しらんし」<br> <br> 数日後・・・<br> 「やっぱりイトウって知ってるだろ?アイツお前と仲よかったらしいぞ」<br> 「だから知らないって・・・」<br> 「しらばっくれるなよ!」<br> 「はぁ?そんな奴いないつぅの!」<br> それでケンカになった。<br> <br> そいつは俺に薄情だと言う。<br> 俺は知らない奴を知ってる奴だと言われて、なんかシャクに触ったのでキレた。<br> まぁ若い頃だから血の気は多いとして、それでもクラスの奴は異常にキレた。<br> 家に帰って、卒業アルバムを小学校の頃から調べたけど、やっぱりイトウなんていなかった。<br> <br> 結局、ソイツとはそれ以来口を聞くことはなくなり転校していった。<br> 変なわだかまりが残ったけど、しばらくイトウの名を忘れてた。<br> <br> <br> '''38 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:10:34 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> それから学年が変わって高2になった頃、またイトウの名を耳にする。<br> 今度は部活が一緒だった隣のクラスの奴。<br> 「なぁ、イトウって知ってる?お前と同じ中学なんだろ?」<br> 「いや知らないって・・・」<br> 「だってさ、お前と同じ部活で、三年間一緒だったっていってたよ」<br> 「はぁ?ちょっとどういう知り合いなのか、詳しく教えてくれよ」<br> 久々にその名前を聞いていやなことを思いだしたけど、正体が知りたくて詳しく聞いてみた。<br> 「女だよ、背の低いさ・・・友達の友達なんだよね、こないだそいつとカラオケ行ってさ、ノリのいい奴」<br> 「いや・・・知らない・・・女ならなおさら知らない・・・」<br> 「マジ・・・?連れてきてやるよ。本当にイトウ、お前のこと詳しいから・・・」<br> 俺、そこら辺で怖くなったよ。本当にどんなに記憶をたどっても、知らない奴なんだから。<br> わりと聞く名前だけど、イトウなんて同級生は一人もいない。<br> <br> それから数日して、<br> 「お前に会わせようとしたイトウさ・・・いなくなったらしい」<br> 「え?なんで?」<br> 「わからん。突然、家を捨てて、夜逃げみたいな感じだったって・・・」<br> 俺「・・・」<br> <br> 次、イトウは意外なところで現れる。<br> <br> <br> '''40 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:29:22 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> 地元の友達が、<br> 「なぁイトウって同級生いたっけ?」<br> 「いない!お前も『知ってる?』とかいわれるの?」<br> 「お前も!!」<br> 俺らの地元のグループで話題になった、イトウとかいうおかしな奴が、俺らの知り合いだと言う。<br> この現象は俺だけじゃなくて、周辺の友達に波及して、三人同じ体験をした奴がいた。<br> それも、三人とも違う高校で、全く別々の友達から聞いた話しだった。<br> 「怖いな・・・マジ、イトウって誰だよ?」<br> 「俺が聞きてぇよ!!」<br> <br> 同窓会でそのことをみんなに聞いたが、誰も知らなかった。<br> ただ、連絡がつかない奴の中で、イトウって苗字になった奴はいたかもしれないが、それも確認できたわけじゃなかった。<br> <br> それから半年くらいして、今度は幼馴染の従姉妹が、<br> 「ねぇ、イトウって知ってる?」<br> ゾッとした。いつものイトウの話しだった。<br> 背の低い女で、俺と同じ部活で、仲の良い友達だったイトウ。<br> 従姉妹は俺のことをよく知っている。<br> 「イトウなんて・・・いないよね?・・・」<br> 「いない・・・」<br> <br> <br> '''42 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:44:16 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> それから数年間、イトウは姿を消す。<br> イトウのことは、頭の片隅くらいにしか残らない存在になっていた。<br> <br> 大学卒業間近バイト先で、<br> 「なぁ、イトウって知ってる?」<br> その場に倒れそうになったよ。<br> 「背の低い女で、俺と部活が同じの?」<br> 「そうそうwやっぱり知り合いなんだw」<br> 「今も連絡とってるの?」<br> 「あぁ、高校のときの部活の知り合いで・・・」<br> コイツは俺とタメで、高校のときの知り合いなら、イトウはその頃行方不明だったはずなんだけど・・・<br> 「今さ!ソイツと連絡つかない?」<br> 「あぁ、つくよ!イトウも今度飲みたいって言ってたし、ちょうどいいよ」<br> <br> 携帯電話の先からイトウの声が聞こえる。<br> 「もしもしぃ」<br> 「今さ、・・・うんうん」<br> かすかにだけどイトウの声が聞こえる。<br> 実在する人物なんだ!<br> 「悪い・・・イトウさ、なんか具合悪いからって、電話切られた・・・」<br> 「そうか・・・じゃあ、また今度頼むよ」<br> <br> 次こそはイトウと話す。<br> <br> <br> '''46 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:56:28 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> 次にバイトいったとき、イトウの知り合いだと言う奴の態度が急変した。<br> 俺が何を話しかけてもシカト。<br> 軽いいじめみたいな感じの雰囲気になってた。<br> なぜかバイト先の奴からハブられる俺。<br> <br> その日の帰りに、店長にクビを言い渡された。<br> 文句は言ったが、「悪いがしばらくこないでくれ」の一点張り。<br> <br> 気がついたら、そのバイト先は潰れてた。<br> 結局、イトウとの接点は無くなった。<br> <br> 最初に俺にイトウの話をふったクラスの奴もいなくなり、次の部活の奴も、その後退学になった。<br> 三人の同級生とも疎遠になった。<br> 三人とも良い噂を聞かなかった。今はどうなったから完全にわからない。<br> 従姉妹もその後精神的に病んで、今は話せる状態じゃない。<br> <br> 結局、イトウのことに関してはわからずじまいだったのかな・・・・<br> なんて思ってたら先週、彼女が「イトウって知ってる?」。<br> まだイトウは、俺の周りをチョロチョロしてるのかもしれない。<br> <br> <br> [[Category:洒落怖]] {{DEFAULTSORT:いとうつてしつてる}}
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