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コッケさん
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2023年4月1日 (土) 22:46時点における
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(ページの作成:「== 概要 == ネット掲示版での書き込みが元になり広まった怖い話。 == 物語 == '''582 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:45'''<br> こんばんわ。<br> コケシの話が怖いみたいですね。<br> <br> あんまり自分の出た地域のことは言いたくないんですけど…<br> <br> --<br> <br> 私の田舎ではコッケさんといって、<br> コケシのような呼び方をすると大人にそうとう…」)
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== 概要 == ネット掲示版での書き込みが元になり広まった怖い話。 == 物語 == '''582 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:45'''<br> こんばんわ。<br> コケシの話が怖いみたいですね。<br> <br> あんまり自分の出た地域のことは言いたくないんですけど…<br> <br> --<br> <br> 私の田舎ではコッケさんといって、<br> コケシのような呼び方をすると大人にそうとうおこられました。<br> 中学生に上がりたての頃、<br> 半端なエロ本知識で「電動こけし」という単語を知った<br> クラスの友達が、コケシコケシと連呼してるのを、<br> 指副担に見つかり、バカスカ殴られてました。<br> <br> 大学に入って初めて知ったのですけど、指副担(シフクタン)<br> なんていう役職はほかの地域にないんですよね。<br> <br> あ、指副担というのは、生活指導副担という意味で、<br> 別に何の教科を担当してたわけでもないです。<br> 野球部のコーチみたいな感じで、毎日学校には出てくるのですが、<br> だいたい用務員室で茶飲んで定時前には帰るような感じでした。<br> <br> 学校行事の中で、踊りみたいなものは、指副担の先生が<br> 指揮をとってました。<br> <br> 運動会で、必ず、メイポールの祭りみたいな踊りを、<br> 伝統的にやらされてたのですが、<br> これは、指副担の先生の独壇場でした。<br> 列が乱れたり、ポールから引いたリボンがたるんだりすると<br> 怒るような。組体操よりぜんぜんこっちが大事でした。<br> <br> 体育教師の数倍ヤな感じでした。<br> <br> <br> '''584 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:45'''<br> 高校に入って、地元の青年会に入ると、コッケさんの<br> あらましは聞かされるのですが、それもまぁ、<br> コッケさんという地神さんは伝統だから、<br> 行事は守らないといけない、みたいな感じの話で<br> 要領を得ません。<br> <br> 地域に大きな寺社や宗教施設がないし、<br> 中学高校にもなると、さすがに、<br> いろいろヘンなうわさが立ってました。<br> <br> ・**中学の裏にある井戸が本尊で、毎年一人生贄にされる<br> ・高校出て町に出るときは井戸に後ろ髪を納めさせられる<br> <br> 噂は噂でしたけど、実際私がいたころは後ろ髪を伸ばした<br> 奴が多かったです。単なるヤンキーだったのかもしれない<br> ですけど。今は帰らないのでどうかわかりません。<br> <br> 今、同郷の女の子が近くのマンションに住んでて、<br> そのこの叔父さんが指副担やってたんですけど、<br> このスレで、コケシの話題が出てたので、<br> なんか関係ありそうだったので、聞いてみました。<br> <br> <br> '''587 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:47'''<br> <br> 私たちがコッケと読んでいるのは「固芥」と書くらしいです。<br> <br> 明治に入ってすぐのころ、飢饉と水害の土砂崩れで、<br> 村が、外部との交通が遮断されたままひと冬放置された<br> ことがあったそうです。<br> <br> 十二月二十八日のこと(旧暦かどうか不明)、<br> 知恵の遅れた七歳の子供が、村の地区<br> (どの地区かは教えてくれませんでした)<br> の備蓄の穀物を水に戻して食べてしまったそうなのでした。<br> <br> その子供は村の水番が、妹との間につくった子供で<br> (本当かどうかはわかりませんが、<br> 水車小屋のような場所があったので<br> すぐそういう、性的な噂が立てられた)<br> <br> 水番が罪を犯すと翌年は日照りになるという<br> 迷信がまだ残っていました。<br> <br> 水番は責任感が強かったので、<br> 子供を殺して村に詫びようとしたそうです。<br> <br> <br> '''588 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:47'''<br> 実際「子供を殺せ」と書いた無記名の手紙を投げ入れる<br> ような嫌がらせが、すぐ始まったそうです。<br> 水番に不利に扱われていた家も多かったし、<br> 実際、穀物の管理責任は水番にあるので、<br> そういうのがおきても仕方ない状況ではあったそうです。<br> <br> 年明けて、一月二十八日の深夜、<br> いくら何でも水番が自分の息子を殺すのを容認は<br> できませんので、このことは村全体で考えよう、<br> と談判していたところだったのですが、<br> <br> 水番の妻が泣きながら世話役の家に走りこんで来て、<br> 亭主が首を括ったので来てくれ、と言うのです。<br> <br> <br> '''589 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:48'''<br> 水番の家に行くと、井戸の上に「井」の字に竹を渡して、<br> そこから首を吊るすようにして絶命している水番がいました。<br> <br> あまりの酷さに世話役たちが顔を背けていると、<br> <br> くだんの息子が、傍らから、世話役の袖を引いて、<br> <br> 「みましたか! みましたか!」<br> <br> と、目をらんらんと輝かせて尋ねるのだそうです。<br> <br> この子はもはや正気ではないとはわかっていました。<br> <br> が、当時の解釈では、<br> これは、水番の相反する気持ちが、<br> 子の魂は滅ぼしても子の肉体は母のために<br> 生かしておいてやりたい、という願いになり、<br> 親子の魂が入れ替わったのだ、というのが支配的でした。<br> <br> 間引きのために子供を殺したことはありませんでしたが、<br> このとき、村で初めて、<br> この子供を「殺そう」という結論が出たのだそうです。<br> <br> <br> '''591 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:49'''<br> 横糸を斜めに織った長い綿布で首を包んで、<br> 布に少しずつ水を吸わせて、誰も手をかけないうちに<br> 殺そうということになりました。<br> <br> しかしそこは、素人考えですので、<br> 首は絞まってもなかなか絶命しません。<br> 子供は父と同じ顔で「誰じゃ、食ったのは誰じゃ」<br> と声を上げていました。<br> <br> <br> '''592 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:50'''<br> 恐れおののいた村人は、父が死んだのと同じように、<br> 井戸に竹を渡してそこから子供を吊るしました。<br> <br> ものすごい形相でにらむので、<br> まぶたの上から縦に竹串を通しました。<br> <br> 子供は、数日、糞便を垂れ流して暴れたのち、絶命しました。<br> <br> その明けた年は、飲み水から病気が発生し、<br> 多くの人が命を失いました。<br> <br> さらに、本当に穀物を食ったのが、この子供ではなく、<br> 世話役の十三になる子供だったことがわかったのだそうです。<br> このとき、世話役は躊躇なく、<br> わが子を同じ方法で吊るしたのだそうです。<br> <br> あくる年の一月二十八日のことだそうです。<br> <br> <br> '''593 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:51'''<br> *<br> <br> 「というわけで、一月二十八日はコッケさんの日になったんですよ」<br> <br> 「はー、なるほど。命日なわけな」<br> <br> うちで飯を食べてもらいながら、彼女(指副担の姪っこ)に、教えてもらいました。<br> <br> 「だから固芥忌(コケキ)っていうのが正しいんですよ。」<br> <br> <br> '''594 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:51'''<br> 「運動会の行事も、意味わかると、ひどいね」<br> <br> 「…村人全員で子供をシめる儀礼ですからね。<br> 本来こういう形でやさしく弔ってあげたのに、という。偽善ですよね」<br> <br> 「うん」<br> <br> (運動会の踊りは、メイポール Maypole の祭りに似てますので、<br> 知らない人は検索してもらうとどういう形なのかわかります。中央のポールが子供です)<br> <br> <br> '''595 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:52'''<br> 「…あとですね、これ、私一人で気づいたんですけど」<br> <br> 彼女は、ペンを取って、チラシの裏に、「芥」の字を書きました。<br> <br> 「おお、28やん。オレも今気づいた」<br> <br> くさかんむりと、その下の八の字で、二十八と読めます。<br> <br> 「え?」<br> 彼女はきょとんとしていました。<br> <br> 「いやだから、にじゅうとはちで、その命日を表してるんでしょ?」<br> <br> 「…ほんとだぁ」<br> <br> 「え、違うの?」<br> <br> 「いや、そっちが正しいんですよねたぶん」<br> <br> 「何よ、教えてよ」<br> <br> 「いや、いいです」<br> <br> しばらく押し問答した末、彼女は折れて、文字を書き足しました。<br> <br> 「これね、縦書きなんですよ」<br> <br> <br> '''596 名前:r-chu ◆rPiM0h0rok 投稿日:02/10/15 23:53'''<br> 固<br> 芥<br> <br> 「目をつぶされた子供が、<br> 竹の枠に首から下がってるの、わかるでしょ?」<br> [[Category:怪談]] [[Category:洒落怖]] [[Category:学校]] {{DEFAULTSORT:こつけさん}}
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