「７人ミサキ」を編集中 (節単位)

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'''959 ：埋め立て：03/06/26 00:24'''<br>
私は四国の田舎の村出身ですので、幼小中と同じ地区の子供が集まり、ほとんど面子が変わることはありません。<br>
これは20年近く前、私が中学生だった頃聞いた話で、事件の１年後くらいに本人に確認を取っています。<br>
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私の２つ下にAという男の子がいた。Aは取り立てて変わったところも無い、普通の男の子だった。<br>
ある８月（夏休み）の夕方、夕食までの間Aは家で昼寝のような感じで眠っていた。<br>
そのうちAはおもむろに目が覚め、帽子を被って懐中電灯を片手に庭先へ出た。<br>
この時のAの意識は半分寝ぼけた状態で、何故目が覚めたかは判らないとのことだ。<br>
Aが庭先に出て行ったことに家族の一人が気づいたが、ちょっと出ただけだろうと気にも止めなかった。<br>
家族の人の証言では、時刻は7：00頃とのことらしい。<br>
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Aが庭先に出ると、６人の『人』がそこに立っていた。<br>
性別・年齢・容姿など一切Aは覚えていないのだが、６人の『人』だと思ったそうだ。<br>
６人はAを認めると、山の方へ（Aの家自体が山の斜面に建っていた）歩き始めた。<br>
Aは寝ぼけた状態にもかかわらず、また、見もしらずの人のはずなのに何の恐怖も感じず、<br>
むしろ、ああついていかないといけないんだなと思い、吸い込まれるように彼らについていった。<br>
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'''960 ：埋め立て：03/06/26 00:24<br>
裏の山といっても結構標高はある。<br>
６人はAを囲むようにして歩いていった。<br>
いつの間にか周囲は真っ暗だ。<br>
そしてAを囲む６人も、もはや人ではなく、周りにつきまとう気配のようなものになっていた。<br>
Aは、意識の上ではもはや『人』でないことを完全に理解していたが、別段恐怖心を感じる事も無く歩を進めていく。<br>
まだ寝ぼけた状態が続いていたのだ。<br>
周りの『気配』は、なにやらずっとヒソヒソ、ボソボソとしゃべっていたのだが、その内容までは聞き取れず、<br>
そのまま歩き続けていた。<br>
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そのうち、コン、と懐中電灯に虫が当たった。光につれられた虫のようだ。<br>
その刹那、周りにいた６人は一瞬にして消え去り、声も聞こえなくなった。<br>
ここでAはハッと正気に戻った。<br>
周りを見渡すと、来た事も無い山奥の道をただ一人でいる。<br>
光といえば、自分の懐中電灯の灯りだけだ。<br>
突如猛烈な恐怖に襲われたAは、一目散に家へと走り帰った。<br>
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Aを探す家族の人に出会い安全を感じたのは、夜中の0：00ちょっと前だった。<br>
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961 ：埋め立て：03/06/26 00:25<br>
後に太夫（いざなぎ流の祭司）がAの家族に言ったことには、<br>
その６人は『７人ミサキ』に引っ張られた者達で、Aを７人目として迎えに来たのだという。<br>
そして、0：00までに帰れなかったら死んでいただろうと言った。<br>
しかし、Aのおばあさんが毎日熱心に神棚を拝んでいたので、そのおかげで神様が虫を使って助けてくれたのだと。<br>
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確かに私（とA）の住む地域では、昔男に捨てられた女が身投げして、７人ミサキとなったと言われる所がある。<br>
身投げ後、立て続けに男ばかりが死んだので（転落して死ぬ・酔って眠って凍死　等）太夫に払ってもらったのだが、<br>
「強すぎて私の力では落とせない」とサジを投げてしまっていた所だ。<br>
しかし、その女性が身を投げたのは昔の事だし、かなりの人が死んだとの事なので、<br>
私達は「７人死んでるだろう」と、すっかり安心してそこで泳いだりしていた。<br>
結局、何故Aを迎えに来たのかという事は判らずじまいであった。<br>
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Aはその後、怪奇現象にあうことも無く現在に至っているが、<br>
当時の私は、いつか自分の所に迎えに来るのでは・・・と思うと、非常な恐怖を感じていたものだった。<br>
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