モケーレ・ムベンベ

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モケーレ・ムベンベ (Mokele-mbembe) は、アフリカ大陸中央部のコンゴ共和国、カメルーン、ガボンなどの広大な熱帯雨林の湖沼地帯に生息しているのではないかと想像されているUMA(未確認生物)のこと。元々は現地人に古くから語り継がれてきた伝説上の怪物である。言い伝えや目撃談を総合すると、体の大きさはカバとゾウの間ぐらい、体長は5~10mで、ヘビのように長い首と尾を持ち、4本脚で、直径30cm以上の丸い足跡には3本の爪跡があるとされる。

モケーレ・ムベンベ


1980年代以降、数多くの探検隊が組織されてきたが、21世紀になっても未だ写真、映像、標本など、生息を確実に実証できる資料は皆無に等しく、その存在は謎に包まれている。知られている特徴を既知の動物に当てはめようとすると、恐竜の竜脚類などが候補に挙がるとして、恐竜の生き残りではないかとする説がある。このことから、コンゴ・ドラゴンとも呼ばれることもある。竜脚類は4足歩行をする首の長い恐竜のグループで、ブラキオサウルス、アラモサウルス、アパトサウルスなどが含まれる。

可能性のある生物編集

仮にモケーレ・ムベンベが前節で扱ったような複数の生物の想像による合成ではないとした場合には、恐竜の生き残り説、ゾウ説、サイ説、大型の水棲カメ説などが知られている。

恐竜の生き残り説
目撃談などを総合すると、現生の動物との類似性が乏しいことから、恐竜の生き残りではないかとする説がある。アパトサウルスのような竜脚類ではないかとする考え方が主流。長い首と尾、短い四肢など、現在知られている特徴をすべて満たす説である。しかし、白亜紀末の生物大量絶滅をアフリカ大陸に生息していた恐竜だけが生き延びた証拠は無い。ただし2011年に、アフリカ大陸の恐竜ではないものの、アラモサウルスは白亜紀大絶滅を生き延びた可能性が高いことが示唆された。
ゾウ説
ゾウが鼻をかかげているところが長い首に見えたのではないかという。この場合のゾウは、現地にいる森林性で小型の亜種マルミミゾウではなく、大型で草原性のアフリカゾウである。モケーレ・ムベンベの想定される大きさは、マルミミゾウよりは大きい。そして、アフリカゾウの足跡であれば丸型で大きさも合致する。ただし、多くの足跡の目撃で認められたとされる、3本の鉤爪はゾウにはない。
新種あるいは既知のサイ説
アフリカ大陸のサイは草原性であり、熱帯雨林地帯には生息していない。熱帯雨林に生息するサイの新種がいるのではないか、という可能性と、草原性のサイが低い頻度でまぎれ込んでくるのではないか、という可能性が考えられている。勿論、サイには長い首も長い尾もないが、体の大きさ、足跡の3本の爪あと(鉤爪ではないが)などは特徴と一致しており、広義のモケーレ・ムベンベ(エメラ・ントゥカ)のモデルとなった生物と考えると比較的よく合致する。前述のBBCのドキュメンタリーなどではこの説が採用された。目撃した原住民に動物図鑑をみせたところ、全員がサイを指し示した。



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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