イトウって知ってる?

    提供:Wikiminati
    2023年4月2日 (日) 17:38時点におけるWikiminatiWebMaster (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「'''36 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 20:59:44 ID:v+Sa2shO0'''<br> <br> 高校から今にかけて、俺の周りをウロチョロする謎の同級生がいる。<br> <br> 高1の時に言われたのが一番最初。<br> 夏休み明け直後の日だったんだが、いきなりクラスの奴に「イトウって知ってる?」って言われた。<br> 「イトウ?知らないなぁ」<br> 「何言ってるんだよお前と同…」)
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    36 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 20:59:44 ID:v+Sa2shO0

    高校から今にかけて、俺の周りをウロチョロする謎の同級生がいる。

    高1の時に言われたのが一番最初。
    夏休み明け直後の日だったんだが、いきなりクラスの奴に「イトウって知ってる?」って言われた。
    「イトウ?知らないなぁ」
    「何言ってるんだよお前と同級生だろ?地元の友達だろ?」
    「いや、しらんし」

    数日後・・・
    「やっぱりイトウって知ってるだろ?アイツお前と仲よかったらしいぞ」
    「だから知らないって・・・」
    「しらばっくれるなよ!」
    「はぁ?そんな奴いないつぅの!」
    それでケンカになった。

    そいつは俺に薄情だと言う。
    俺は知らない奴を知ってる奴だと言われて、なんかシャクに触ったのでキレた。
    まぁ若い頃だから血の気は多いとして、それでもクラスの奴は異常にキレた。
    家に帰って、卒業アルバムを小学校の頃から調べたけど、やっぱりイトウなんていなかった。

    結局、ソイツとはそれ以来口を聞くことはなくなり転校していった。
    変なわだかまりが残ったけど、しばらくイトウの名を忘れてた。


    38 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:10:34 ID:v+Sa2shO0

    それから学年が変わって高2になった頃、またイトウの名を耳にする。
    今度は部活が一緒だった隣のクラスの奴。
    「なぁ、イトウって知ってる?お前と同じ中学なんだろ?」
    「いや知らないって・・・」
    「だってさ、お前と同じ部活で、三年間一緒だったっていってたよ」
    「はぁ?ちょっとどういう知り合いなのか、詳しく教えてくれよ」
    久々にその名前を聞いていやなことを思いだしたけど、正体が知りたくて詳しく聞いてみた。
    「女だよ、背の低いさ・・・友達の友達なんだよね、こないだそいつとカラオケ行ってさ、ノリのいい奴」
    「いや・・・知らない・・・女ならなおさら知らない・・・」
    「マジ・・・?連れてきてやるよ。本当にイトウ、お前のこと詳しいから・・・」
    俺、そこら辺で怖くなったよ。本当にどんなに記憶をたどっても、知らない奴なんだから。
    わりと聞く名前だけど、イトウなんて同級生は一人もいない。

    それから数日して、
    「お前に会わせようとしたイトウさ・・・いなくなったらしい」
    「え?なんで?」
    「わからん。突然、家を捨てて、夜逃げみたいな感じだったって・・・」
    俺「・・・」

    次、イトウは意外なところで現れる。


    40 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:29:22 ID:v+Sa2shO0

    地元の友達が、
    「なぁイトウって同級生いたっけ?」
    「いない!お前も『知ってる?』とかいわれるの?」
    「お前も!!」
    俺らの地元のグループで話題になった、イトウとかいうおかしな奴が、俺らの知り合いだと言う。
    この現象は俺だけじゃなくて、周辺の友達に波及して、三人同じ体験をした奴がいた。
    それも、三人とも違う高校で、全く別々の友達から聞いた話しだった。
    「怖いな・・・マジ、イトウって誰だよ?」
    「俺が聞きてぇよ!!」

    同窓会でそのことをみんなに聞いたが、誰も知らなかった。
    ただ、連絡がつかない奴の中で、イトウって苗字になった奴はいたかもしれないが、それも確認できたわけじゃなかった。

    それから半年くらいして、今度は幼馴染の従姉妹が、
    「ねぇ、イトウって知ってる?」
    ゾッとした。いつものイトウの話しだった。
    背の低い女で、俺と同じ部活で、仲の良い友達だったイトウ。
    従姉妹は俺のことをよく知っている。
    「イトウなんて・・・いないよね?・・・」
    「いない・・・」


    42 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:44:16 ID:v+Sa2shO0

    それから数年間、イトウは姿を消す。
    イトウのことは、頭の片隅くらいにしか残らない存在になっていた。

    大学卒業間近バイト先で、
    「なぁ、イトウって知ってる?」
    その場に倒れそうになったよ。
    「背の低い女で、俺と部活が同じの?」
    「そうそうwやっぱり知り合いなんだw」
    「今も連絡とってるの?」
    「あぁ、高校のときの部活の知り合いで・・・」
    コイツは俺とタメで、高校のときの知り合いなら、イトウはその頃行方不明だったはずなんだけど・・・
    「今さ!ソイツと連絡つかない?」
    「あぁ、つくよ!イトウも今度飲みたいって言ってたし、ちょうどいいよ」

    携帯電話の先からイトウの声が聞こえる。
    「もしもしぃ」
    「今さ、・・・うんうん」
    かすかにだけどイトウの声が聞こえる。
    実在する人物なんだ!
    「悪い・・・イトウさ、なんか具合悪いからって、電話切られた・・・」
    「そうか・・・じゃあ、また今度頼むよ」

    次こそはイトウと話す。


    46 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:56:28 ID:v+Sa2shO0

    次にバイトいったとき、イトウの知り合いだと言う奴の態度が急変した。
    俺が何を話しかけてもシカト。
    軽いいじめみたいな感じの雰囲気になってた。
    なぜかバイト先の奴からハブられる俺。

    その日の帰りに、店長にクビを言い渡された。
    文句は言ったが、「悪いがしばらくこないでくれ」の一点張り。

    気がついたら、そのバイト先は潰れてた。
    結局、イトウとの接点は無くなった。

    最初に俺にイトウの話をふったクラスの奴もいなくなり、次の部活の奴も、その後退学になった。
    三人の同級生とも疎遠になった。
    三人とも良い噂を聞かなかった。今はどうなったから完全にわからない。
    従姉妹もその後精神的に病んで、今は話せる状態じゃない。

    結局、イトウのことに関してはわからずじまいだったのかな・・・・
    なんて思ってたら先週、彼女が「イトウって知ってる?」。
    まだイトウは、俺の周りをチョロチョロしてるのかもしれない。