古いお稲荷さん

提供:Wikiminati
2023年5月28日 (日) 16:07時点におけるWikiminatiWebMaster (トーク | 投稿記録)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)


458 :本当にあった怖い名無し:2019/06/02(日) 00:46:52.84 ID:1D5lr1800.net
普段はROM専ですが、不思議な体験が多々あるので記録として投下します。

俺はもともとオカルトが好きで洒落怖もかなり読み込んでいるのですが、職業柄不思議な経験をすることも多い。
日本には八百万の神様と伝わる通り、あらゆる自然や現象、動物などにも神が宿るといわれている。
カミという言葉の語源も、自然の力を恐れて火(カ)と水(ミ)を合わせてたところから始まっているというのは、私達の業界では常識的な話だ。


459 :本当にあった怖い名無し:2019/06/02(日) 00:47:28.50 ID:1D5lr1800.net
この話も、とある神様の話から始まった。
数年前仲間内で集まった時に、事務所の少し離れたところにある社の話になった。
当時、自分は業界に入ったばかりで右も左もわからなかったので、黙って聞いていた。
その社は立派な鳥居のある古いお稲荷さんだったが、今では取り払われ石だけが残っているらしい。
しかし力の強い神様で、今でも信仰のある人がたまにお供え物をしているそうだ。
なんでそんな話が出たかというと、その話をした先輩が霊感のある人で社の世話をしていたのだが、
しばらく留守にするので、自分がいない間に新人の俺に社の世話をしてほしいとのことだった。
毎日決まった時間に水を変えて拝むように言われて、俺は内心めんどくさがったが、
この業界は上下関係が全てで、先輩の言ったことにはイエスがルールだった。


460 :本当にあった怖い名無し:2019/06/02(日) 00:48:03.31 ID:1D5lr1800.net
仕方がないので渋々毎日行っていたのだが、一ヶ月くらいたったころ、慣れてきた俺は調子に乗ってあることをした。
自分達の間では、ある手順を踏んで拝むと神と交信ができ色々力を貸してもらうことができる、と言われているので、
俺は当時まだ素人同然で疑っていたので、試しにやってみようと思った。
友達と会う予定の日が雨になりそうだったので、天気を変えてもらう儀式をしようと決めた。
神様なら天気くらい変えられるだろうという安易な考えだし、変わらないなら変わらないで当たり前だろうという気持ちだった。

そして当日前夜、俺はちょっとした準備をして、簡単な祝詞のようなものを作って、夜中に1人で社に向かった。
触らぬ神に祟りなしというが、自分から神様にちょっかい出しに行くのだから内心ビビっていた。
夜ということもあり、洒落怖に出てくるような人ならざるものが出てくる恐怖も感じながらなんとかたどり着き、
早口に呪文を唱え一通りやることはやった。
最後に「神様ならこれくらいできますよね!」てなことを伝え足早に退散した。
その日は何事もなく無事帰宅して就寝した。


461 :本当にあった怖い名無し:2019/06/02(日) 00:48:58.87 ID:1D5lr1800.net
次の日、朝起きてみるとびっくりするくらいの晴天だった。
自分は、神様ヤベーとか自分の儀式が成功したことにドキドキしながら、待ち合わせ場所に向かった。
友達はうちの業界とは全然関係ないやつだが、昨日の夜のことを話してやろうと思っていた。
待ち合わせ場所は俺が通っていた大学なのだが、早く着きすぎたこともあってキャンパスを背にしてしばらく待っていた。
俺は早く話したくてウズウズしていたのもあったが、友達遅いなとか思いつつずっと待っていた。
しかし1時間、2時間過ぎても全く来る様子がない。ケータイで連絡をしても繋がらない。
おかしいと思ってずっとケータイや時計を確認していたのだが、ふと嫌な予感がして顔を上げて周りを見渡してみた。
すると、自分が立っている場所が待ち合わせの大学ではないことに気がついた。


462 :本当にあった怖い名無し:2019/06/02(日) 00:49:20.58 ID:1D5lr1800.net
自分が立っていた場所は広い更地のような場所で、
離れたところには立ち入り禁止と書かれた看板が倒れており、周りには外された鎖のようなものが落ちている。
ゾッとして周りを見回してみると、さっきまで背にしていた建物は古いボロボロのお堂に変わっていた。
俺は直感で、これはお稲荷さんの敷地だと思った。
怖くなって俺はその場から離れようと走り出したのだが、
遠くに逃げてるつもりでも、なぜかすぐ後ろにまだお堂がある気がしてならなかった。
ずっと走って逃げた先に1人の女性がいて、俺は必死で「助けてください」と言った。
その声が届いたのか、女性が振り向いて「早く出なさい」と言ったところで俺は目が覚めた。
どうやら一連の出来事は夢だったようで、時間はまだ夜中、外は雨が降っていた。
俺は怖くなり、友達との約束を断り、雨の中社まで行き必死で謝った。

幸いそれ以来何も起きていないが、先輩が戻ってからも社の世話は俺が続けている。
それから、夢の中で見た女性は顔も覚えていないが、おそらくこの世の人ではないと思う。


外部リンク[編集 | ソースを編集]

引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?354

コメント[編集 | ソースを編集]

Loading comments...