下水道のワニ

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ショッピングセンターに展示された、下水道のマンホールから顔を出すワニのオブジェ

下水道のワニ(Sewer alligator)は、アメリカ合衆国各地で1920年代後半から1930年代前半にまで遡る、下水道にワニが棲んでいるという噂話であり、多くは都市伝説の一部となっている。これらの話の元は、特にニューヨーク市など、通常は棲息していないと思われる場所でワニが目撃されたという報告に基づくものである。

概要[編集 | ソースを編集]

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、ニューヨーク市では年間で約100匹のワニが救出されているという。違法にペットとして飼っていた家から直接救出されたもの(他の州ではオンラインで合法的に注文でき、小さいうちは郵送も可能である)や、脱出したまたは捨てられたワニが救出されたものである。後者の場合、救出されるまでの間に多くの人の注目を浴びることになる。後者の場合、短期間ならば下水道で生き延びることができるが、低温と人糞に含まれるバクテリアのため、長期の生存は不可能である。下水道維持職員は、下水道に棲息するワニは存在しないと主張している。

似たような話では、1851年にロンドンのハムステッドの下水道に野生の豚が棲息していたことがある。

都市伝説[編集 | ソースを編集]

下水道のワニの噂は、1930年代ごろから出回り始め、その後数十年間の積み重なりにより都市伝説として定着してきた。この話は、ニューヨークの下水道の現場監督をしていたテディ・メイが創作したフィクションではないかとも言われている。彼へのインタビューが、下水道のワニに関する最初の出版物の根拠となっている。ニューヨーク市の「下水道のワニ」の話はよく知られており、様々なバージョンが存在する。マンハッタン区では、毎年2月9日が「下水道のワニの日」(Alligators in the Sewers Day)となっている。

よくある噂話は次のようなものである。20世紀半ば、フロリダ州の土産物屋では、小さな水槽に入れた生きたワニの赤ちゃんを土産物として販売していた。ニューヨークから来た観光客は、それを買ってペットとして育てようとするが、手に負えないほど大きくなるとトイレに流してしまうという。

その後の展開は様々である。最も一般的な話は、生き残ったワニが下水道に住み着き、ネズミやゴミを食べて繁殖し、巨大化して下水道作業員を恐怖におののかせるというものである。ロバート・デイリーの1959年の著書"The World Beneath the City"(都市の下の世界)には、ニューヨークの下水道作業員がある夜、大きなアルビノのワニが自分の方に向かって泳いでくるのを見てショックを受け、その後何週間もかけて狩りが行われたと書かれている。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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