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クラーケン
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== 概説== クラーケン(クラーケ)については、つとにダノノルウェー人のハンス・エーイェゼ(英語版)(ハンス・エゲデ)が『古いグリーンランドの新しい解釈』(1729年)で、多頭で有爪の海の怪物であるという近世ノルウェーの伝承にふれ、中世より北欧に伝わるハーヴグーヴァ(島のような伝説上の怪物。幻の鯨とも解説される)と同一と記述する。 そしてエーリク・ポントピダン(英語版)司教(『ノルウェー博物誌』、1753年)がクラーケンを講じて世界に知らしめた。ここに既ににタコ説がみられるが、ドニ=モンフォール(英語版)が「クラーケン蛸」を発表した事実が著名である。 モンフォールは、帆船の襲撃例を、別種「コロッサル蛸」の仕業と特定したが、その版画は二つの巨大種の区別をあやふやに英国で複製・模写された。フランスでもユーゴーの小説(1866年)の人食いタコ、ヴェルヌ作『海底二万里』(1869–1870年連載)の巨大イカに関して言及されている。のちに動物学者らが、伝説のクラーケンのダイオウイカ説を立てている。 リンネが記載したミクロコスモス属(雑多な生物の集合体)は、間接的にはクラーケンではあるが、リンネは頭足類はみな「セピア属」で別分類としている、ところがセピア属の「セピア・ミクロコスモス」種という頭足類を発表したという誤報が、後々まで拡散している。 また、スウェーデン人オラウス・マグヌスが作成した、海の怪物の絵をちりばめたことで有名な地図『カルタ・マリナ』(1539年)にも、クラーケンが描かれているのではないかとの推論がある。まず地図には人間を襲う巨大ロブスターが描かれているが、オラウスの著書で、船をも襲う、見るからにロブスターの姿をした怪物の画は、じっさいはポリュプス(正しくはタコ)の描画なのだという。また一名「あごひげ鯨」という、触手のようにしなう多数のトゲを頭部から突出させる怪物が地図に載っており、これも候補とされる。
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