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「
悪魔を呼び出す方法
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<br> '''752 :その1:2006/05/09(火) 15:24:19 ID:vLr5R34S0'''<br> 昔俺は横浜に住んでたんだけれども、俺が厨房の時の話。<br> <br> 親父が教会の神父やってたの。神父にしては結構ざっくばらんな性格で、結構人気もあったんだ。<br> まぁ俺なんて信心深いほうじゃないし、一家の決まり事と言えば食事の前に軽く祈るくらい。<br> んで、割と平穏な日々が続いてた。<br> <br> ある日、姉貴がアンティークショップで、ファッション雑誌くらいの大きさの古書を買ってきたんだ。<br> この姉貴が結構なオカルトマニアで、その手の物に目がないわけ。<br> 何か買ってくる度に親父は、「聖職者の娘がこんな趣味に走って洒落にもならん」的な事を愚痴ってたんだ。<br> 中には数点、結構やばい物もあったらしく、親父が「これは今すぐ返して来い、処分しろ」と注意する事も度々あった。<br> 今回買ってきた物も、どうやら洋書のオカルトめいた本らしかったんだ。(姉貴は英語堪能)<br> <br> 早速買ってきたその夜、俺と姉貴で(俺も無理やり付き合わされた)、『悪魔を呼び出す方法』ってのをやってたんだ。<br> 30分くらいやってたかな。<br> 特に何も起こらなかったので、興冷めして2人でTVでも見る事にした。<br> <br> んで夜になって、家に親父が帰ってきた。<br> 開口一番、「何だこの獣の匂いは?犬でも連れ込んだのか?」<br> そう言うと、姉貴の部屋から匂いがすると言って、部屋に入るなりその洋書を見つけた。<br> 「00子(←姉貴の名前)、ちょっと来い!!」<br> 親父は凄い剣幕で怒鳴り、姉貴と俺は急いで姉貴の部屋へ向かった。<br> <br> 「…00子。お前これがどんな物か分かってるのか?」<br> 「いや…ただの交霊術の本でしょう?」<br> 「馬鹿野郎!!この本のカバーは本物の人皮だし、書いてある事は全部邪悪な黒魔術だ!!<br> 良いか?ただの黒魔術の本なら対して害はないが、<br> これは恐らくアンチキリストの教団か人物が、本気で呪いを込めて作った本だ。<br> 普通人皮なんて、本当に使おうなんて思うヤツは滅多にいるもんじゃない…すぐに処分する!!」<br> そう言うと親父は本を取り上げて、家から少し離れた教会へと戻って行った。<br> <br> <br> '''753 :その2:2006/05/09(火) 15:25:35 ID:vLr5R34S0'''<br> 1時間ほどして親父は家に戻ってきた。<br> 「獣の匂いがまだ消えてない…お前らまさか、本に書いてある事を何かやったか?」<br> 姉貴が渋々白状すると、親父の平手打ちが飛んだ。親父の暴力は初めて見た。<br> 「オカルトにはまるのは別に良い。だが自分が実行してどうする!!<br> お前は賢い子だから、知識を得るだけで満足出来る子だと思っていたが…」<br> そう言うと親父は、泣く姉貴に「明日0輔(←俺の名前)と一緒に教会に来なさい」と言って、その日の話はそれで終わった。<br> <br> その夜の事。トイレに起きた俺がボーッとしてると、誰かが家の中を歩き回る音が聞こえた。<br> 親父か姉貴だろと思い、大して気にしなかったんだけど、玄関のチャイムが鳴った。3回。夜中の3時過ぎだ。<br> こんな時間に尋ねて来る人なんていない。俺は玄関に見に行ったんだけど、誰もいない。<br> 部屋に戻ろうとすると、今度はトイレの『内側』から3回ノックの音が。すぐさま調べたが、誰も入ってない。<br> 今度は台所から「ピシッ」という乾いた音が3回。<br> 流石に怖くなってきた所、親父が2階から降りてきた。<br> 「悪魔は3と言う数字を好んで使う。心配するな。まだ進入段階だから。制圧段階に移る前に…」<br> 「ぎゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」<br> 親父の言葉を遮るかの様に、2階の姉貴の部屋から絶叫が聞こえた。<br> 俺と親父は急いで姉の部屋へと駆け上がった。<br> ドアを開けた。姉がいた。<br> 一瞬、何なのかよく分からなかった。姉貴の様な姉貴の様でない物がいた。<br> 姉貴はベッドに座ってこちらを見ていたが、何かがおかしかった。<br> 数秒経って気がついたんだけど、目が全部黒目だった。舌を出していた。長すぎる。<br> わけのわからない言葉でわめき散らしていた。<br> 「進入段階をこんなに早く終えて、制圧段階に移行するなんて…<br> 0輔!!00子を今すぐ教会に連れて行くから手を貸せ!!」<br> 親父の命令で俺は、姉貴が暴れて傷つかない様に手足を縛り、姉貴を担いで車庫に置いてあるランクルへと急いだ。<br> 車内でも姉貴は暴れに暴れ、取り押さえるのがやっとだった。<br> 運転する親父に俺が「取り憑かれたの??」と聞くと、「そうだ」と言い、<br> 「叫んでるこれ、何語??」と聞くと、「正確なことは言えんが、十中八九ヘブライ語」と答えた。<br> <br> <br> '''755 :その3:2006/05/09(火) 15:29:11 ID:vLr5R34S0'''<br> 教会に向かう途中、ランクルで3回黒猫を轢いた。<br> 信号が青になったばかりなのに、すぐ赤に変わったりした。3回エンストした。<br> 親父は冷静に運転し、何とか教会についた。<br> <br> 暴れまわる姉を教会の椅子に縛り付け、親父は奥の部屋から色々な道具を持ってきた。<br> 「まさか、映画とかでやってるような悪魔祓いやんの?やったことあんの!?」<br> 「1度だけある」<br> 「成功したの?」<br> 「その時1人じゃなかったんで、上手くいったと思う…」<br> 「俺に手伝える事は」<br> 「人間の霊じゃないんだから、迂闊な事はするな。00子の後ろに立ってろ。<br> もし万が一ロープを引きちぎったりしたら、すぐ押さえつけろ」<br> そう言うと親父は、よく映画で見るような「父と子と精霊の~」的な事を読み上げて、姉貴に聖水を振り掛けたりしていた。<br> 聖水が顔にかかる度に姉貴は凄い形相で吼え、<br> 「あの女が承諾するからいけないんだ(イエスを身ごもったマリアの事?後で親父が教えてくれた)」とか、<br> 「あいつが死んだりしなければ、俺たちは王になれたんだ(死んだイエスの事?これも後で親父から)」<br> などと叫んでいたらしい。(ここは何故かラテン語だったそう)<br> <br> 30分ほどたっただろうか。ふと姉貴が我に返った様に、「お父さん、助けて!!」と叫ぶようになった。<br> 俺が姉貴に近づいて話しかけようとすると、<br> 「エクソシズムの最中に、悪魔に話しかけるな!!00子かも知れんし、悪魔かも知れん。無視しろ」<br> と親父が注意した。<br> <br> そして親父は、必死に悪魔の名前を聞き出そうとしていた。名前が分かれば悪魔の力が激減するらしい。<br> 親父も俺もビッシリ汗をかいていた。姉の口からは糞尿の匂いがした。<br> 「汝の名を名乗れ!!」<br> 「lmvdじthつbhbんgfklbんk(←意味不明な言葉)」<br> 「聖なんとかかんとか(←うろ覚えすまん)の名において命ずる、汝の名を名乗れ!!」<br> 「い一ーーーーーーーーーーーっいっいっいーーーーっ」<br> <br> <br> '''756 :その4:2006/05/09(火) 15:30:23 ID:vLr5R34S0'''<br> 親父が、聖遺物のキリストが死後包まれた布の断片を、<br> (親父も本物かどうかは知らんと言ってたが、効果があったので聖なる物には間違いないかも)<br> 姉貴の額に押し付けたとたん、<br> 黒目の姉が、椅子をロープごと引きちぎって叫んだ。<br> 「お 前 ら は 8 月 に 死 ぬ ! !」<br> それと同時に、教会の窓という窓が、<br> 「コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ」と鳴り出した。<br> 何かと思って見たら、窓の外にカラスがビッシリ。嘴で窓をつついていた。<br> この真夜中にカラスが一斉に行動するなんてありえない。<br> 流石に限界だった俺は、多分眠るように気絶したんだと思う。<br> <br> 気がついたのは深夜の緊急病院。<br> どうやら姉は脱臼してたので、あの後すぐに親父が病院に連れて行ったらしい。<br> 俺は軽い貧血と診断されたようだ。<br> <br> 「姉貴に憑いてたヤツはどっか消えたの?」<br> 「ああ、今のところはな」<br> 「また来る?」<br> 「来るかもしれんし、来ないかもしれん。あっちの世界に時間軸はないから」<br> 「8月に死ぬ、って怖くない?」<br> 「思ったより短時間で済んだんで、そんなに強い悪魔じゃなかったんだと思う。<br> 下級なヤツのつまらん捨て台詞だ。気にすんな」<br> <br> <br> '''758 :終わり:2006/05/09(火) 15:31:24 ID:vLr5R34S0'''<br> 「結局の所、悪魔ってなんなの??」<br> 「分からん…分からんが、ああいうのがいる事は確かだ。<br> 1つお前に言っておく。<br> 今回はまだ憑依の途中だったんで、00子の人格がまだ残ってたから上手くいった。<br> 将来お前が神父になるとは思わんが、もしも(完全憑依)されたヤツに出会ったら、その時は…」<br> 「その時は?」<br> 「逃げろ!!」<br> <br> その後、姉貴にも俺にも変わった様子もなく、8月に家族の誰も死ぬ事もなく、普通に暮らしていた。<br> <br> 3年前。出来ちゃった結婚で姉貴が結婚した。<br> その子供の体に666の刻印が…なんてオチはないが、3歳になった息子が先日妙な事を言ったのだと言う。<br> 「ママ、海に行くのは止めようね」と。<br> <br> <br> == 関連項目 == [[古書の表紙]] <br> == 外部リンク == 引用元:<html><a href="https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1146373033/">死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?128</a></html><br> <br> == コメント == <comments /> <br> [[Category:洒落怖]] [[Category:神奈川県]] {{DEFAULTSORT:あくまをよひたすほうほう}}<br>
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