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海神
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'''135 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 23:37 ID:/l5BbhHD'''<br> これは15歳の時、本当に体験した話。<br> <br> 俺の実家は海沿いの田舎町なんだけど、メチャ綺麗な海が有名なんだけど、<br> 色々とイワクがあるんだよね・・・<br> 幼馴染のKの実家は代々続く名家なんだけど、<br> 『そこの家の嫡男は、15才の誕生日に海に近づくと命を落とす』って言い伝えがあったんだ。<br> 死ぬって言うのは、<br> 海神(地元の言い伝えでは美しい女)が死んでしまった自分の子供を生き返らせようと、<br> 選ばれた家の嫡男の魂をもって行くって話しなんだけど、<br> 俺もKも眉唾だと全然信じてなかったんだよね。<br> <br> <br> '''138 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 23:56 ID:/l5BbhHD'''<br> 誕生日当日、Kは学校を休んだ。<br> 俺は昼休に学校を抜け出して、様子を見に行った。<br> <br> Kの家に着いて呼び鈴を押すと、Kの母親が出てきた。<br> 話を聞くと、今日は大事をとって家の座敷に缶詰状態らしい。<br> Kに会いたいと伝えると、「今日で最後かも知れないから・・・」と、家に上げてくれた。<br> 俺はそんな与太話本気で信じてるのかと思ったが、<br> 町中その噂で持ちきりだったので、ナーバスになるのも仕方ないかと、座敷に向かった。<br> <br> <br> '''140 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:03 ID:FhrN6Mxq'''<br> 座敷の前にはKのオヤジと爺さんが、ふすまの前に厳しい表情で座り込んでいた。<br> 俺に気づいた二人に軽く挨拶をし、Kに会いたいと伝えると座敷に通してくれた。<br> ふすまを開けると、缶ビール片手にくわえタバコのKが、ダビスタに夢中だった。<br> 本人は全く緊張感が無く、何故かホッとした。<br> <br> <br> '''141 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:17 ID:FhrN6Mxq'''<br> Kが俺に気づき、オウといつもの様に挨拶を交わした。<br> しばらくは下らない話しをしていたのだが、<br> Kが急に「なぁ今日本当に俺が死んだらどうするよ?」と聞いてきた。<br> 一瞬返答に困ったが、「俺が死に際見取ってやるよ」と冗談ぽく言った。<br> <br> Kの話しでは、Kのオヤジさんも爺さんも嫡男で、15の誕生日には同じように座敷に缶詰だったらしい。<br> 2人とも全くその日の記憶が抜けていて、何も憶えていないとの事だった。<br> 俺は今日一日Kと一緒に過ごすと決め、食料とタバコの買出しにコンビニへ向かった。<br> <br> <br> '''142 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:29 ID:FhrN6Mxq'''<br> コンビニから戻ると、何やら座敷の方が慌ただしい様子だった。<br> 何やらエライ坊さんが来て、結界だの魔よけだの準備をしていた。<br> Kはと言うと、酒を頭からかけられ灰をかけられ、物凄い状態になっていた。<br> <br> Kが体を洗って帰って来ると、2人でお札がビッチリとはられた座敷へ戻った。<br> 特にやる事が無いので、DESPERADOのDVDを観た。<br> 座敷の前では、近所のオッサンどもが順番で番をしていた。<br> <br> <br> '''143 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:39 ID:FhrN6Mxq'''<br> 特に何も起こらず、夜もふけて来た11時過ぎに便所に立って、<br> 戻るとふすまが開き、番をしていたオッサン2人が眠りこけていた。<br> まさかと思い座敷を覗くとKがいない。<br> オッサン達をたたき起こし、家の人間にKが居ない事を告げた。<br> <br> その日Kの家に詰めていた人間全員で、Kの捜索がはじまった。<br> 俺はバイクを飛ばし、すぐに海へ向かった。<br> <br> 海岸線の国道を走っていると、すぐに砂浜に立っているKの姿を見つけた。<br> 俺はすぐ携帯でKの家に連絡を入れ、Kに走り寄った。<br> <br> <br> '''144 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:50 ID:FhrN6Mxq'''<br> 「オイ、Kお前何やってんだよ」と肩をつかむと、物凄い力で振り払われた。<br> 無言で振り返ったKを見ると、白目を剥きヨダレを垂れ流した状態だった。<br> これはヤバイとKを羽交い絞めにしたのだが、Kは海へと向かう足を止めない。<br> 物凄い力で海へと引きずられてしまった。<br> 何を言っても聞く耳を持たないので、仕方なく後頭部を力一杯ぶん殴った。<br> 4~5発は殴ったのに、こっちのコブシが腫れ上がっただけでビクともしない。<br> <br> <br> '''146 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 01:07 ID:FhrN6Mxq'''<br> そうこうしてる内に、大人達が集まって来た。<br> 10人以上でKを取り押さえたのだが、引きずられるばかりで止める事ができない。<br> <br> 海水が胸位まで来た時、昼間の偉い坊さんが現れ、お経を唱え始めた。<br> するとKは、意識を失った様に海に沈んでしまった。<br> 慌ててKを引き上げて浜へ上げた。<br> <br> 坊さんがKの額にお札をはり、お経を読み始めた。<br> 読経は日が昇るまで続けられた。<br> <br> 読経が終わり、坊主がKの背中を叩き、「アイ!!」と気合を入れるとKが目を覚ました。<br> Kは目の前で何が起こっているのか、全く理解できていない様子だった。<br> 「何故俺は海にいるのか?」「何でお前まで水浸しなのか?」と、状況を理解しようと必死なようだった。<br> Kに昨晩起こった事を話すと、「マジ?」と唖然としていた。<br> 本当に何も憶えていない様子だった。<br> <br> それから町ではその話しで持ちきりだったが、すぐに噂は絶えて、誰もその事を口にしなくなった。<br> Kは今、北海道で牛を飼いながら元気に暮らしている。来年結婚するそうだ。<br> <br> <br> '''147 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 01:19 ID:40WYlrQo'''<br> 面白かった。<br> 最初からお札貼っておけばよかったのに<br> <br> <br> '''148 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 01:30 ID:FhrN6Mxq'''<br> >>147<br> どうも、Kのオヤジさんと爺さんの時も、同じやり方で大丈夫だったらしいので、そのままやったみたいどえす。<br> <br> <br> '''151 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 01:39 ID:FhrN6Mxq'''<br> ちなみにこの事件は、地元のローカル新聞にものりやした。<br> そんで、その坊さんは大もうけしたらしいです。<br> <br> <br> == 外部リンク ==<br> 引用元:<html><a href="http://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1091387941/">海にまつわる怖い話・不思議な話 4</a></html> <br> <br> [[Category:海]]<br> {{DEFAULTSORT:うみ}}
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