モスマン

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モスマン

モスマン(Mothman)は、1966年ごろアメリカ合衆国ウェストバージニア州ポイント・プレザント一帯を脅かした謎の未確認動物(UMA)。宇宙人のペットであるとの説(エイリアン・ペット説)もある。

概要[編集 | ソースを編集]

特徴[編集 | ソースを編集]

のどかなポイント・プレザント

地元の住人はこのUMAを単に「バード(鳥)」と呼んでいたが、一般にはアイヴァン・サンダーソンが造語し、マスコミを通じて広まった「モスマン(蛾人間)」という名のほうが有名である。

体長は約2m。腕はなく、背中に大きな翼を持つ。その翼をはばたかせる事なく、自動車よりも速く飛行する。目撃者の多くは、モスマンを一瞬しか見ておらず、モスマンの顔はあまり詳細まで覚えてはいないが、目がギラギラと赤く輝き、目と目の間隔が大きく開いていることだけは、多くの目撃者の証言が一致している。ネズミやコウモリに似た「キィキィ」という鳴き声を発したという証言もある。

「第一発見者」とされる女性によると、彼女が車で時速160kmで逃走した際、モスマンは同等の速度で追ってきたという。また、彼女はTV番組のインタビューの際、「モスマンはフライング・ヒューマノイドに似ているような気がする」と述べている。

モスマンとの遭遇事件[編集 | ソースを編集]

1966年11月12日、ウェストバージニア州レンデニンの墓地で目撃されたことを皮切りに一連の遭遇事件が始まった。

続く11月14日、同州ポイント・プレザントのTNTエリア(元・火薬工場であった地域)付近でドライブを楽しんでいた若者がモスマンに追跡されるという事件が発生する。若者たちは車を全速力で走らせたものの、モスマンは容易に追跡してきたという(この若者の一人が「第一発見者」とされる女性である)。

また、同日夜ポイント・プレザント北東にあるセーラムでも同様の目撃証言が報告されている。外にいる飼い犬が激しく吼えるので様子を見に行くと、暗闇の中に赤く光る二つの目が浮かび上がったという。翌朝飼い犬の姿はどこにも無かったが、新聞に掲載された火薬工場での目撃証言には「逃げる途中で犬の死体が転がっていた」との一文があった。なお、この火薬工場近辺では数度にわたり奇妙な光体が目撃されていたという証言もある。

最初の遭遇事件から13か月後の1967年12月15日、ポイント・プレザントとオハイオ州カノーガを結ぶシルバー・ブリッジ付近で目撃された事例を最後に、モスマンの目撃例は途絶えている。関連性は不明であるが、同日シルバー・ブリッジは大規模な崩落事故を起こし46人が犠牲になるという大惨事となった。この出来事はモスマン事件を題材にした映画『プロフェシー』でも描かれている(映画中での犠牲者数は36人とされた)。

ポイント・プレザント周辺での目撃は絶えたものの、近年多発している「フライング・ヒューマノイド」との目撃証言には「高速で飛行し車を追いかける茶色の怪人」などモスマンとの共通点があり、関連性が指摘されている。

また、映画『プロフェシー』では、モスマンを目撃したと証言する人の家に、モスマンが脅迫電話をかけるシーンがある。

正体[編集 | ソースを編集]

鳥類説[編集 | ソースを編集]

ワシなどの大型猛禽類を誤認した可能性がある。「キィキィ」という鳴き声は、イヌワシのものに近いとも考えられる。翼を翻すようにして飛翔、急降下したという目撃例もあるが、これはイヌワシなどが獲物に襲いかかる際に見られる行動である。

モスマンの2mという体長は、目撃時間帯の多くが夜間で暗かったことと、目撃者が恐怖心から実際より大きく錯覚してしまったとすれば説明できる。ただ、ほとんどの目撃者はモスマンの目が異様に大きくて間隔が開いていたと証言しており、鳥類では説明のつかない部分もある。

また、ツル説やフクロウ説がよく挙げられる。

エイリアン・ペット説[編集 | ソースを編集]

また、ポイント・プレザント一帯では、事件前からUFOが多くの住民によって目撃されており、モスマンの目撃が減少するにつれて、UFOの目撃数も減少した。そのことから、UFOの乗員は宇宙人で、その宇宙人のペット(エイリアン・ペット)もしくは地球での実験のための動物がモスマンであるのではないか、という説もある。実際、UFOに向かってモスマンが飛行していった、という目撃例もある。

先住民族の呪い説[編集 | ソースを編集]

一部の住人にはモスマンをポイント・プレザント周辺で昔から起こっていた怪現象と結びつけ、かつてこの地で虐殺されたインディアン、ショウニー族の呪いであると主張する者もいる。

調査[編集 | ソースを編集]

一部の調査員や研究家からは、鳥と見間違えたのではといわれ、目撃者にその鳥の写真を見せた。しかし、目撃者は皆、その鳥とはまったく似つかないとしている。

また事件直後に、もともとこの地には居つかないはずの、シロフクロウやヒメコンドルが発見されていることから、何者かがモスマンの存在を隠すために、これらの鳥類を逃がしたのでは、ともいわれている。

本件はドキュメンタリー専門チャンネル、ディスカバリー・チャンネルの番組『超常現象調査隊』でも紹介された。番組中では、2003年に撮影された橋から飛び立つモスマンは、風に流された黒いゴミ袋ではないかと言う結論に達している。

またヒストリーチャンネルの番組『未確認モンスターを追え!』では、複数の目撃者の証言を元にモスマンのイラストがそれぞれ作成されたが、既存のイラストよりも目の間隔が狭く、人間や猛禽類に似た姿だった。同番組では、夜道の脇にモスマンの人形を設置し、車に乗った被験者が人形をどれくらいの大きさに感じたかという検証も行われ、実際の大きさよりもかなり大きく感じる人がいるという結果が出た。