イルミナティ

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イルミナティ(ラテン語: Illuminati、ドイツ語: die Bayerischen Illuminaten, Illuminatenorden、英語: the Illuminati of Bavaria, the Bavarian Illuminati)は、イエズス会の修道士だったインゴルシュタット大学教授のアダム・ヴァイスハウプトが1776年に創設した秘密結社である。ドイツ南部とオーストリアにおいて一世を風靡して、特にバイエルンで急激に発展した。しかし、その無政府主義的な傾向からバイエルン政府によって1785年に禁圧された。


バイエルン啓明結社、バヴァリア啓明結社、幻想教団、イリュミネ教団、イルミナーテン、啓明団、啓蒙者教団、啓明結社、バイエルン幻想教団、照明派、光明会とも訳される。


本記事では、アダム・ヴァイスハウプトがバイエルンに設立したイルミナティについて述べるが、歴史上には他にも「イルミナティ」という名前が付けられた様々な狂信的団体もある。


1785年以降、それ以上の活動は歴史的文献には含まれていないが、イルミナティはその解散後何世紀にもわたって陰謀論において絶大な存在感を誇った。


イルミナティ崩壊の後に勃発したフランス革命に狼狽えた貴族や聖職者らは「イルミナティやフリーメイソンは大衆を革命へ扇動した黒幕」と主張する反フリーメイソン(英語版)の陰謀論者であったバリュエル神父(フランス語版)やジョン・ロビソン(英語版)の陰謀史観にすぐ飛びつき、イルミナティは革命の首謀者と見なされた。その他、破壊活動・瀆神・乱交・嬰児嗜食などワンパターンな嫌疑をも受ける。各国語に翻訳されたバリュエルらの著作は世界に拡散され、諸悪の根源を秘密結社に帰する陰謀史観はこうして大衆的に定着した。


イルミナティが世界史の裏で暗躍しているなどという「世界征服を企むイルミナティ」というイメージを現代的な形として復活させたのはネスタ・ヘレン・ウェブスターの著作群だが、それを素地に陰謀論者らも独自の荒唐無稽な尾ひれを付け加えた「陰謀本」を次々と世に出している。陰謀史観の定番ともいえるイルミナティを警告・糾弾する書籍は日本でも欧米でも山ほど存在している。為政者や大衆の無意識に刻印された「イルミナティの陰謀」なる元型はイルミナティ自体が消滅した現代社会にも時空を超えて影響を及ぼしているのである。


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