「鬼滅の刃の制作秘話」の版間の差分

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2023年4月8日 (土) 20:09時点における版

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概要

『鬼滅の刃』(きめつのやいば)は、吾峠呼世晴による日本の漫画作品。

政策背景

『過狩り狩り』
本作の源流は、吾峠呼世晴が2013年までに初めて描いた読み切り作品『過狩り狩り』であった。
同作は明治から大正ごろの日本を舞台とし、海外から来た吸血鬼、日本の鬼と『鬼狩り』との戦いを描く作品であり、その一部の登場人物や技が本作『鬼滅の刃』に引き継がれている。
吾峠は同作について「どうせ評価されないだろう」と考えていたが、家族に「どうせなら一番好きな雑誌に投稿すればいい」と促され、後述の自身がファンでもあった「銀魂」が連載されている、週刊少年ジャンプへ投稿した。
同作はその扉絵で主人公の顔が隠されているなどの特異な構成によって、ジャンプ編集部では「1ページ目から気になる漫画が来た」と話題になった。その結果、同作は第70回JUMPトレジャー新人漫画賞(2013年4月期、審査員:篠原健太)で佳作を受賞した。
吾峠の初代担当編集者である大西恒平は「ジャンプ志望の作家の中では珍しいタイプ。センスは感じたが、基本的な漫画づくりの基礎がまだできておらず、今後この才能をどう開花させられるか」と評した。
のちに本作の初代担当編集者となる片山達彦は「初見では分かりにくかったが、2度読んだときに構成や振りの巧みさに気づいた」、「圧倒的な才能は周りも認めていたし、私も感じていた」と評価した。


『過狩り狩り』は吾峠呼世晴短編集に収録されている。


『鬼殺の流』
さらに吾峠は2015年、『呼吸』や『鬼殺隊』の設定を追加した連載作品『鬼殺の流』のネームを作成した。これが本作の前身である。しかし、「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」を理由に、編集部による連載会議で落選して雑誌掲載へは至らなかった。
同作の主人公は盲目、隻腕、両足が義足であった。世界設定は「読みやすくなった」という評価を得たが、主人公のキャラクター性が課題とされた。

主人公の変更
そこで、片山の先輩編集者が「『HUNTER×HUNTER』のように、主人公を普通の人物とし、その周囲に異常性のある人物を配置したほうが、読者が感情移入しやすく、また他の人物が引き立つのではないか」と提案した。
片山が吾峠へ「この物語にもっと普通の人物はいないか」と訪ねたところ、吾峠は脇役の構想として「炭売りの少年がいる。彼は家族全員を鬼に殺され、さらに妹が鬼になる。妹を人間へ戻すために『鬼狩り』になる」と考えていたことを明かした。片山はその人物こそ主人公にふさわしいと考え、「宿命を背負ったキャラクターは、物語を動かす推進力になる」として、主人公を変更することを提案した。吾峠はその提案を受け入れた。

連載直前
そして吾峠は『鬼滅の刃』の連載へ向けたネームを執筆した。前作までと比べて主人公が親しみやすく、物語がわかりやすく調整されており、また第一話で主人公を兄貴分が叱責する場面などの台詞の力に片山は圧倒されたという。
そのネームは紙面掲載時の内容とほぼ同じで、完成されたものであったが、ある人物が和装であったことに対して片山は「大正らしさがほしい」と提案したところ、吾峠は「詰め襟に羽織り」という現行のデザインを考案した。他の片山からの意見としては「目に留まるデザインは読者に受けるので、何かしらチャームポイントがあるといい」、「主人公の同期に、仲の悪い人物がいると面白い」という程度のみだった。その結果、『鬼滅の刃』は編集部から承認され、連載が開始された。

9つのタイトル候補
コミックス第1巻の、作品の設定などを紹介する『大正コソコソ噂話』では9つのタイトル候補があったと伝えられている。


・鬼滅奇譚(きめつきたん)
・鬼鬼滅滅(ききめつめつ)
・悪鬼滅々(あっきめつめつ)
・鬼殺の刃(きさつのやいば)
・滅々鬼譚(めつめつきたん)
・鬼殺譚(きさつたん)
・空想鬼滅奇譚(くうそうきめつきたん)
・鬼狩りカグツチ(おにがりカグツチ)
・炭のカグツチ(すみのカグツチ)