「自己責任で読んでね」の版間の差分

    提供:Wikiminati
    (ページの作成:「== 概要 == ネット掲示版に書き込まれた呪い == 本編 == '''504 :連休厨:02/05/02 01:50''' 呪い系。<br> 似たようなやつをこのスレのどっかで見たことあるけど<br> 原文に近いかも。廃棄直前Q8のBBSログからハケーン<br> <br> <nowiki>----</nowiki> Message # 26 is from: *****<br> Time: 97/04/30 1:02:02 Category 8: フリートーク<br> Subj: 自己責任で読んでね<br> <br> こんなん手に入…」)
     
    編集の要約なし
     
    1行目: 1行目:
    == 概要 ==
    ネット掲示版に書き込まれた呪い
    == 本編 ==
    '''504 :連休厨:02/05/02 01:50'''
    呪い系。<br>
    似たようなやつをこのスレのどっかで見たことあるけど<br>
    原文に近いかも。廃棄直前Q8のBBSログからハケーン<br>
    <br>
    <nowiki>----</nowiki>
    Message # 26 is from: *****<br>
    Time: 97/04/30 1:02:02 Category 8: フリートーク<br>
    Subj: 自己責任で読んでね<br>
    <br>
    こんなん手に入れました。<br>
    マジでヤバイかも…ログ全部巡回して目を通してる<br>
    *****さん注意(汗)<br>
    <br>
    o(x_x)oカ?クカ?ク<br>
    <br>
    <br>
    %%%%%%%%<br>
    <br>
    あらかじめお断りしておきますが、この話を読まれ<br>
    たことでその後何が起きても保証しかねます。<br>
    <br>
    *自己責任の下で読んで下さい。<br>
    *保証、責任は一切持ちません。<br>
    <br>
    5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしま<br>
    した。<br>
    <br>
    表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に<br>
    憑依されたからです。<br>
    <br>
    <br>
    '''504 :連休厨:02/05/02 01:50'''<br>
    5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。<br>
    表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。<br>
    私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、<br>
    私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、<br>
    先日古い友人と話す機会があり、あのときのことを<br>
    先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。<br>
    まざまざと思い出してしまいました。<br>
    ここで文章にすることで、少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。<br>
    ここで、文章にすることで少し客観的になり恐怖を<br>
    忘れられると思いますので、綴ります。<br>
    <br>
    <br>
    私たち、(A・B・C・D・私)は、皆家業を継ぐ<br>
    ことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余<br>
    していました。<br>
    <br>
    学校も、私たちがサボったりするのは、受験組の邪<br>
    魔にならなくていいと考えていたので、体育祭後は<br>
    朝学校に出て来さえすれば後は抜け出しても滅多に<br>
    怒られることはありませんでした。<br>
    <br>
    ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてき<br>
    ました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊っ<br>
    て自殺して一家は離散、空き家になってるというの<br>
    です。<br>
    <br>
    '''505 :連休厨:02/05/02 01:53'''
    <br>
    サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たち<br>
    は、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌<br>
    日すぐに昼から学校を抜けて行きました。<br>
    <br>
    外から様子のわからないような、とても立派なお屋<br>
    敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびり<br>
    ましたが、ABは「大丈夫」を連発しながらどんど<br>
    ん中に入って行きます。<br>
    <br>
    既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていまし<br>
    た。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないよ<br>
    うにして、こそこそ酒盛りを始めました。<br>
    <br>
    でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で<br>
    家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今<br>
    いる部屋の壁の上の方に気が付きました。<br>
    <br>
    壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のよう<br>
    な感じの小さな窓が二つついているのです。「こっ<br>
    ちも部屋か」よく見ると壁のこちら側にはドアがあ<br>
    って、ドアは、こちら側からは本棚で塞がれていま<br>
    した。肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。<br>
    <br>
    今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに<br>
    そのとき疑問を持つべきでした。<br>
    <br>
    '''506 :連休厨:02/05/02 02:14'''
    <br>
    それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという<br>
    願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。<br>
    部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っていま<br>
    す。雨漏りしているのかじめっとしていました。<br>
    <br>
    <br>
    部屋は音楽室と言えるようなものではありませんで<br>
    私たち(A・B・C・D・私)は皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余 していました。<br>
    したが、壁に手作りで防音材のようなものが貼って<br>
    学校も、私たちがサボったりするのは受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、<br>
    あり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりま<br>
    体育祭後は朝学校に出て来さえすれば、後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。<br>
    した。湿気で壁紙はカピカピになっていました。<br>
    <br>
    <br>
    部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくり<br>
    ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。<br>
    でしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、<br>
    改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。<br>
    真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入<br>
    れに入ってました。<br>
    <br>
    <br>
    「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友人Aが写真<br>
    入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚<br>
    の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバ<br>
    サ出てきました。紙は御札でした。<br>
    <br>
    <br>
    みんな、ヤバと思って声も出せませんでした。<br>
    '''505 :連休厨:02/05/02 01:53'''<br>
    顔面蒼白のAを見てBが急いで出ようと言い、逃げ<br>
    サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、<br>
    るようにBが窓によじ登ったとき、そっちの壁紙全<br>
    翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。<br>
    部がフワッとはがれました。<br>
    外から様子のわからないようなとても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか少しびびりましたが、<br>
    ABは「大丈夫」を連発しながら、どんどん中に入って行きます。<br>
    既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。<br>
    書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。<br>
    <br>
    <br>
    '''561 :連休厨:02/05/02 20:24'''
    でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。<br>
    漏れのは単なるコピペのつもりなんだけど…<br>
    すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。<br>
    (スレ2に似た話があるのは十分承知)<br>
    壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。<br>
    なんて云っても創作って云われるんだろうからまぁその辺<br>
    「こっちも部屋か」<br>
    は行間を喚んでください<br>
    よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。<br>
    またはレス間を喚んでください<br>
    肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。<br>
    今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに、そのとき疑問を持つべきでした。<br>
    それでもこっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。<br>
    <br>
    <br>
    では続きを<br>
    <br>
    <br>
    *自己責任で喚んでください<br>
    '''506 :連休厨:02/05/02 02:14'''<br>
    部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのか、じめっとしていました。<br>
    部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、<br>
    壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。<br>
    湿気で壁紙はカピカピになっていました。<br>
    部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、<br>
    その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。<br>
    「なんやこれ、気持ち悪い」と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、<br>
    額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。<br>
    紙は御札でした。<br>
    みんなヤバと思って声も出せませんでした。<br>
    顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、<br>
    そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。<br>
    写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。<br>
    <br>
    <br>
    部屋は音楽室と言えるようなものではありませんで<br>
    したが、壁に手作りで防音材のようなものが貼って<br>
    あり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりま<br>
    した。湿気で壁紙はカピカピになっていました。<br>
    <br>
    <br>
    部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくり<br>
    '''561 :連休厨:02/05/02 20:24'''<br>
    でしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、<br>
    「何やこれ」<br>
    真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入<br>
    酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。<br>
    れに入ってました。<br>
    「やばいてやばいて」<br>
    「吐いてる場合か急げ」<br>
    よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。<br>
    何がなんだかわけがわかりませんでした。<br>
    後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。<br>
    きっとAです。祟られたのです。<br>
    恐ろしくて振り返ることもできませんでした。<br>
    無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。<br>
    Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、「イタイタ。引っ張んな足!」とCが叫びます。<br>
    部屋の向こうではAらしき声が、わんわん変な音で呻いています。<br>
    Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。<br>
    <br>
    <br>
    「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友人Aが写真<br>
    入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚<br>
    の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバ<br>
    サ出てきました。紙は御札でした。<br>
    <br>
    <br>
    みんな、ヤバと思って声も出せませんでした。<br>
    '''562 :連休厨:02/05/02 20:26'''<br>
    顔面蒼白のAを見てBが急いで出ようと言い、逃げ<br>
    「B!かんぬっさん連れて来い!」<br>
    るようにBが窓によじ登ったとき、そっちの壁紙全<br>
    後ろ向きにDが叫びました。<br>
    部がフワッとはがれました。<br>
    「なんかAに憑いとる!裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」<br>
    <br>
    Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。<br>
    写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼<br>
    「足!足!」<br>
    ってありました。「何やこれ」酒に弱いCはその場<br>
    「痛いか?」<br>
    でウッと反吐しそうになりました。「やばいてやば<br>
    「痛うはないけど、なんか噛まれた」<br>
    いて」「吐いてる場合か急げ」<br>
    見ると、Cの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように丸く歯形がついて、唾液で濡れています。<br>
    <br>
    相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。<br>
    よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げまし<br>
    「あいつ俺に祟らんかなぁ」<br>
    た。何がなんだかわけがわかりませんでした。後ろ<br>
    「祟るてなんや、Aはまだ生きとるんぞ」<br>
    ではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出して<br>
    います。きっとAです。祟られたのです。恐ろしく<br>
    て振り返ることもできませんでした。無我夢中でよ<br>
    じのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。<br>
    <br>
    Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そう<br>
    とすると、「イタイタ」Cが叫びます「引っ張んな<br>
    足!」部屋の向こうではAらしき声がわんわん変な<br>
    音で呻いています。Cはよほどすごい勢いでもがい<br>
    ているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんず<br>
    んしました。<br>
    <br>
    '''562 :連休厨:02/05/02 20:26'''
    <br>
    「B!かんぬっさん連れて来い!」後ろ向きにDが<br>
    叫びました。「なんかAに憑いとる、裏行って神社<br>
    のかんぬっさん連れて来いて!」<br>
    <br>
    Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓<br>
    からCを引き抜きました。<br>
    「足!足!」「痛いか?」<br>
    「痛うはないけどなんか噛まれた」見るとCの靴下<br>
    のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように、<br>
    丸く歯形がついて唾液で濡れています。相変わらず<br>
    中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から<br>
    中を見ることができませんでした。「あいつ俺に祟<br>
    らんかなぁ」「祟るてなんやAはまだ生きとるんぞ」<br>
    「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」<br>
    「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」<br>
    <br>
    <br>
    「しらー!」<br>
    縁側からトレーナー姿の神主さんが真っ青な顔して入ってきました。<br>
    「ぬしら何か!何しよるんか!馬鹿者が!」<br>
    一緒に入ってきたBは、もう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。<br>
    「ええからお前らは帰れ。こっちから出て、神社の裏から社務所入って、ヨリエさんに見てもらえ。<br>
     あと、おい!」<br>
    と、いきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。<br>
    後ろで何かザキっと音がしました。<br>
    「よし行け」<br>
    そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。<br>
    <br>
    <br>
    「しらー!」縁側からトレーナー姿の神主さんが真<br>
    それから裏の山に上がって神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが白い服を着て待っていました。<br>
    青な顔して入ってきました。「ぬしら何か! 何しよ<br>
    めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。<br>
    るんか! 馬鹿者が!」一緒に入ってきたBはもう<br>
    涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。<br>
    「ええからお前らは帰れ、こっちから出て神社の裏<br>
    から社務所入ってヨリエさんに見てもらえ、あとお<br>
    い!」といきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げ<br>
    られました。後ろで何かザキっと音がしました。<br>
    「よし行け」そのままドンと背中を押されて私たち<br>
    は、わけのわからないまま走りました。<br>
    <br>
    '''564 :連休厨:02/05/02 20:34'''
    <br>
    それから裏の山に上がって、神社の社務所に行くと、<br>
    中年の小さいおばさんが、白い服を着て待っていま<br>
    した。めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、<br>
    それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。<br>
    <br>
    <br>
    それから、Aが学校に来なくなりました。私の家の<br>
    親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、<br>
    詳しい話は何もしてくれませんでした。ただ山の裏<br>
    には絶対行くなとは、言われました。<br>
    <br>
    <br>
    私たちも、あんな恐ろしい目に遭ったので、山など<br>
    '''564 :連休厨:02/05/02 20:34'''<br>
    行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごし<br>
    それからAが学校に来なくなりました。<br>
    ていました。期末試験が終わった日、生活指導の先<br>
    私の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。<br>
    生から呼ばれました。今までの積み重ねまとめて大<br>
    ただ、山の裏には絶対行くなとは言われました。<br>
    目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行<br>
    私たちもあんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。<br>
    くと、私の他にもBとDが座っています。神主さん<br>
    も来ていました。生活指導の先生などいません。私<br>
    が入ってくるなり神主さんが言いました。<br>
    <br>
    <br>
    期末試験が終わった日。生活指導の先生から呼ばれました。<br>
    今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行きました。<br>
    すると私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。<br>
    私が入ってくるなり神主さんが言いました。<br>
    「あんなぁ、Cが死んだんよ」<br>
    「あんなぁ、Cが死んだんよ」<br>
    信じられませんでした。<br>
    Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。<br>
    「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。<br>
     病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。<br>
     裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。<br>
     駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」<br>
    Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、ちょっと口答えしそうになりましたが、<br>
    神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。<br>
    「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。<br>
     アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。<br>
     アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。<br>
     それと、後ろ髪は伸ばすなよ。<br>
     もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」<br>
    <br>
    <br>
    信じられませんでした。Cが昨日学校に来ていなか<br>
    ったこともそのとき知りました。「学校さぼって、<br>
    こっちに括っとるAの様子を見にきよったんよ。病<br>
    院の見舞いじゃないとやけん危ないってわかりそう<br>
    なもんやけどね。裏の格子から座敷のぞいた瞬間に<br>
    ものすごい声出して、倒れよった。駆けつけたとき<br>
    には白目むいて虫螺の息だった」<br>
    <br>
    Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思ってち<br>
    ょっと口答えしそうになりましたが、神主さんは真<br>
    剣な目で私たちの方を見ていました。「ええか、A<br>
    はもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。<br>
    アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所に<br>
    は憑きには来ん。アレのことを覚えとる奴がおった<br>
    ら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。<br>
    来たら憑かれて死ぬんぞ。<br>
    それと後ろ髪は伸ばすなよ。もしアレに会って逃げ<br>
    たとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」<br>
    <br>
    <br>
    '''565 :連休厨:02/05/02 20:36'''
    <br>
    それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路<br>
    室を出ました。<br>
    <br>
    <br>
    あのとき神主さんは私の伸ばしていた後ろ毛をハサ<br>
    '''565 :連休厨:02/05/02 20:36'''<br>
    ミで切ったのです。何かのまじない程度に思ってい<br>
    それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。<br>
    ましたが、まじないどころではありませんでした。<br>
    そのとき神主さんは、私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。<br>
    帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいまし<br>
    何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。<br>
    た。<br>
    帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。<br>
    <br>
    <br>
    '''568 :連休厨:02/05/02 21:02'''
    えーと続きます。<br>
    詠むのがきついひとはオシッコいって毒気を抜いてください<br>
    だいぶん、違うと思います。<br>
    <br>
    <br>
    *自己責任で喚んでください<br>
    '''568 :連休厨:02/05/02 21:02'''<br>
    *自己責任で喚んでください<br>
    卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。<br>
    その後私たちはバラバラの県で進路につき、<br>
    絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。<br>
    <br>
    <br>
    私は1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。<br>
    しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。<br>
    今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。<br>
    <br>
    <br>
    卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めな<br>
    その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。<br>
    ければいけませんでした。その後私たちはバラバラ<br>
    しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。<br>
    の県で進路につき、絶対に顔を合わせないようにし<br>
    もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。<br>
    よう、もし会っても他人のふりをすることにしなけ<br>
    急のことだったのですが、『せめて初盆くらいは帰ってこんか』と電話で両親も言っていました。<br>
    ればなりませんでした。<br>
    それがいけませんでした。<br>
    <br>
    <br>
    私は、1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過<br>
    去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈<br>
    りました。しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私<br>
    は神主さんの話を思い出していました。今日来るか、<br>
    明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。<br>
    <br>
    <br>
    その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることが<br>
    '''569 :連休厨:02/05/02 21:11'''<br>
    できました。しかし、少し気を許して盆に帰省した<br>
    駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。<br>
    のがいけませんでした。もともと私はおじいちゃん<br>
    彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。<br>
    子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。<br>
    急のことだったのですが、せめて初盆くらいは帰っ<br>
    てこんか、と、電話で両親も言っていました。それ<br>
    がいけませんでした。<br>
    <br>
    <br>
    '''569 :連休厨:02/05/02 21:11'''
    Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。<br>
    部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、<br>
    さらに自分の髪の毛を、その上から一本一本几帳面に張り付けていたということでした。<br>
    鑞で自分の耳と瞼に封をしようとした痕があったが、最後までそれをやらずに自害したという話でした。<br>
    <br>
    <br>
    駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時<br>
    Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、<br>
    代の彼女が売り子でした。彼女は私を見るなりボロ<br>
    松山の近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩いているのを見つかったそうです。<br>
    ボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことを<br>
    Dの後頭部は烏がむしったように髪の毛が抜かれていました。<br>
    まくし立てました。<br>
    Dの瞼は閉じるのではなく絶対閉じないようにと、自らナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。<br>
    <br>
    <br>
    Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首<br>
    このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはありません。<br>
    をくくったそうです。部屋は雨戸とカーテンが閉め<br>
    BとDの末路など今の私にはどうでもいい話でした。<br>
    られ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、さらに自<br>
    つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っていないと、気づかされてしまったのです。<br>
    分の髪の毛をその上から一本一本几帳面に張り付け<br>
    ていたということでした。鑞で自分の耳と瞼に封を<br>
    しようとした痕があったが、最後までそれをやらず<br>
    に自害したという話でした。<br>
    <br>
    <br>
    Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、松山の<br>
    近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩い<br>
    ているのを見つかったそうです。Dの後頭部は烏が<br>
    むしったように髪の毛が抜かれていました。Dの瞼<br>
    は、閉じるのではなく、絶対閉じないようにと自ら<br>
    ナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。<br>
    <br>
    このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはあ<br>
    りません。<br>
    <br>
    BとDの末路など、今の私にはどうでもいい話でし<br>
    た。つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っ<br>
    ていないと、気づかされてしまったのです。<br>
    <br>
    '''570 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:16'''
    *自己責任*<br>
    <br>
    <br>
    胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着く<br>
    と、家には誰もいませんでした。後で知ったことで<br>
    すが、私の地方は忌廻しと云って、特に強い忌み事<br>
    のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行<br>
    うという風習があったのです。<br>
    <br>
    <br>
    '''570 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:16'''<br>
    胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。<br>
    後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、<br>
    特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行う、という風習があったのです。<br>
    私は連れてこられたのでした。<br>
    私は連れてこられたのでした。<br>
    <br>
    <br>
    '''571 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:17v
    *自己責任*<br>
    <br>
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    '''571 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:17'''<br>
    それから3日、私は39度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。<br>
    このとき私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。<br>
    <br>
    <br>
    それから3日、私は9度以上の熱が続き、実家で寝<br>
    3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。<br>
    込まなければなりませんでした。このとき、私は死<br>
    Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。<br>
    を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い<br>
    「お前一人やな」<br>
    服を着て、水を飲みながら寝ていました。<br>
    「うん」<br>
    <br>
    「お前もこっち来てくれよ」<br>
    3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。Aは骨<br>
    「いやじゃ」<br>
    と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。<br>
    「お前一人やな」「うん」<br>
    「お前もこっち来てくれよ」「いやじゃ」<br>
    「Cが会いたがっとるぞ」<br>
    「Cが会いたがっとるぞ」<br>
    「いやじゃ」<br>
    「いやじゃ」<br>
    「おまえ来んとCは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口<br>
    「おまえ来んと、Cは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」<br>
    に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」<br>
    「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」<br>
    「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」<br>
    「ははは地獄か地獄ちゅうのはなぁ」<br>
    「ははは・・・地獄か、地獄ちゅうのはなぁ」<br>
    <br>
    <br>
    そこで目を覚ましました。自分の息の音で喉がヒイ<br>
    そこで目を覚ましました。<br>
    ヒイ音を立てていました。枕元を見ると、祖父の位<br>
    自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。<br>
    牌にヒビが入っていました。<br>
    枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。<br>
    <br>
    <br>
    '''572 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:19'''
    *自己ノ責任ニ負イテ*<br>
    <br>
    <br>
    '''572 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:19'''<br>
    私は考えました。<br>
    アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。<br>
    ここまでの長文、たいへん失礼しました。おおざっぱな書き方では、読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。<br>
    読んだ方は申し訳ないのですが、犬に噛まれたとでも思ってください。<br>
    ご自分の生存確率を上げたければ、この文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします。<br>
    <br>
    <br>
    私は、考えました。アレの話を私と同じように多く<br>
    の人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依され<br>
    る確率は下がるのではないか。<br>
    <br>
    <br>
    ここまでの長文たいへん失礼しましたが、おおざっ<br>
    ぱな書き方では読んだ方の記憶に残らないと思った<br>
    のです。<br>
    <br>
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    読んだ方は、申し訳ないのですが犬に噛まれたとで<br>
    == 外部リンク ==
    も思ってください。ご自分の生存確率を上げたけれ<br>
    引用元:<html><a href="https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1016111756/">死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? PART13</a></html>
    ばこの文章を少しでも多くの方の目に晒すことをお<br>
    すすめします。<br>
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    == 脚注 ==
    == コメント ==
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    === 注釈 ===
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    === 出典 ===
    [[Category:洒落怖]]
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    == 関連項目 ==
     
    == 外部リンク ==
     
    [[Category:呪い]]
    [[Category:呪い]]
    {{DEFAULTSORT:じこせきにん}}
    {{DEFAULTSORT:じこせきにん}}
    <br>

    2023年5月28日 (日) 17:05時点における最新版


    504 :連休厨:02/05/02 01:50
    5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。
    表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。
    私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、
    先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。
    ここで文章にすることで、少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

    私たち(A・B・C・D・私)は皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余 していました。
    学校も、私たちがサボったりするのは受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、
    体育祭後は朝学校に出て来さえすれば、後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

    ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。
    改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。


    505 :連休厨:02/05/02 01:53
    サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、
    翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。
    外から様子のわからないようなとても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか少しびびりましたが、
    ABは「大丈夫」を連発しながら、どんどん中に入って行きます。
    既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。
    書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

    でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。
    すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
    壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
    「こっちも部屋か」
    よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
    肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
    今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに、そのとき疑問を持つべきでした。
    それでもこっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。


    506 :連休厨:02/05/02 02:14
    部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのか、じめっとしていました。
    部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、
    壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。
    湿気で壁紙はカピカピになっていました。
    部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、
    その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。
    「なんやこれ、気持ち悪い」と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、
    額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。
    紙は御札でした。
    みんなヤバと思って声も出せませんでした。
    顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、
    そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。
    写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。


    561 :連休厨:02/05/02 20:24
    「何やこれ」
    酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。
    「やばいてやばいて」
    「吐いてる場合か急げ」
    よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。
    何がなんだかわけがわかりませんでした。
    後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。
    きっとAです。祟られたのです。
    恐ろしくて振り返ることもできませんでした。
    無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。
    Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、「イタイタ。引っ張んな足!」とCが叫びます。
    部屋の向こうではAらしき声が、わんわん変な音で呻いています。
    Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。


    562 :連休厨:02/05/02 20:26
    「B!かんぬっさん連れて来い!」
    後ろ向きにDが叫びました。
    「なんかAに憑いとる!裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」
    Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。
    「足!足!」
    「痛いか?」
    「痛うはないけど、なんか噛まれた」
    見ると、Cの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように丸く歯形がついて、唾液で濡れています。
    相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。
    「あいつ俺に祟らんかなぁ」
    「祟るてなんや、Aはまだ生きとるんぞ」
    「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」

    「しらー!」
    縁側からトレーナー姿の神主さんが真っ青な顔して入ってきました。
    「ぬしら何か!何しよるんか!馬鹿者が!」
    一緒に入ってきたBは、もう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
    「ええからお前らは帰れ。こっちから出て、神社の裏から社務所入って、ヨリエさんに見てもらえ。
     あと、おい!」
    と、いきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。
    後ろで何かザキっと音がしました。
    「よし行け」
    そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。

    それから裏の山に上がって神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが白い服を着て待っていました。
    めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。


    564 :連休厨:02/05/02 20:34
    それからAが学校に来なくなりました。
    私の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。
    ただ、山の裏には絶対行くなとは言われました。
    私たちもあんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。

    期末試験が終わった日。生活指導の先生から呼ばれました。
    今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行きました。
    すると私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。
    私が入ってくるなり神主さんが言いました。
    「あんなぁ、Cが死んだんよ」
    信じられませんでした。
    Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。
    「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。
     病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。
     裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。
     駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」
    Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、ちょっと口答えしそうになりましたが、
    神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。
    「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
     アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。
     アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。
     それと、後ろ髪は伸ばすなよ。
     もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」


    565 :連休厨:02/05/02 20:36
    それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。
    そのとき神主さんは、私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。
    何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。
    帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。


    568 :連休厨:02/05/02 21:02
    卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。
    その後私たちはバラバラの県で進路につき、
    絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。

    私は1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。
    しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。
    今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。

    その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。
    しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。
    もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
    急のことだったのですが、『せめて初盆くらいは帰ってこんか』と電話で両親も言っていました。
    それがいけませんでした。


    569 :連休厨:02/05/02 21:11
    駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。
    彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。

    Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。
    部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、
    さらに自分の髪の毛を、その上から一本一本几帳面に張り付けていたということでした。
    鑞で自分の耳と瞼に封をしようとした痕があったが、最後までそれをやらずに自害したという話でした。

    Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、
    松山の近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩いているのを見つかったそうです。
    Dの後頭部は烏がむしったように髪の毛が抜かれていました。
    Dの瞼は閉じるのではなく絶対閉じないようにと、自らナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。

    このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはありません。
    BとDの末路など今の私にはどうでもいい話でした。
    つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っていないと、気づかされてしまったのです。


    570 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:16
    胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。
    後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、
    特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行う、という風習があったのです。
    私は連れてこられたのでした。


    571 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:17
    それから3日、私は39度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。
    このとき私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。

    3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。
    Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
    「お前一人やな」
    「うん」
    「お前もこっち来てくれよ」
    「いやじゃ」
    「Cが会いたがっとるぞ」
    「いやじゃ」
    「おまえ来んと、Cは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
    「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
    「ははは・・・地獄か、地獄ちゅうのはなぁ」

    そこで目を覚ましました。
    自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。
    枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。


    572 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/05/02 21:19
    私は考えました。
    アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。
    ここまでの長文、たいへん失礼しました。おおざっぱな書き方では、読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。
    読んだ方は申し訳ないのですが、犬に噛まれたとでも思ってください。
    ご自分の生存確率を上げたければ、この文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします。



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    引用元:死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? PART13

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