海岸でキャンプ

提供:Wikiminati


103 :1/2:2005/08/30(火) 01:52:59 ID:8q2eIjMJ0
数年前、5月のゴールデンウィークに、茨城にキャンプに行ったときの話。

メンバーは友人A、B、Cと俺の男4人。
A、B、Cは、連休さえあればキャンプに行ってるが、俺はいつも休みが合わず、この時が初参加だった。

「どうせ茨城なら海辺がイイ」
「周りに迷惑がかかると悪いから人の少ないところがイイ」
と、国道51号線から数百メートル細い道を入った所にある、某海岸に辿り着いた。
その海岸入り口付近には、先客の家族連れキャンパーがいたので、
俺達は更に海岸を進み、200メートル程離れた砂浜にテントを張った。

昼間はサーファーがイッパイいたが、夕食の準備をする頃には誰もいなくなり、
見渡す限りその海岸には、先の家族連れキャンパーと、俺達の2組のみになってしまった。
周囲に灯りもなく早めに寝る事にしたのだが、テントは3人用だったので、並んで寝るのは3人が限界。
そこでA、B、Cは川の字に。俺はその足側に一の字に。つまり『山』みたいな形で寝た。

夜中、俺は尿意を催し目を覚ました。
携帯で時間を確認すると、2時ちょっと過ぎだった。
こうゆう話は大概2時だ、と全く信じてなかった俺だが、
体を起こそうとした時、波の音と明らかに違う音が耳に入り、俺は体を硬直させた。
多分5メートルぐらいは離れているであろうその音は、「ザッザッザッ」と俺達のテントに近づいてくる。
その音の重み、間隔から人の足音だと直感した。

ちょっと待て。少なくともテント越しに灯りは見えない。灯りも無しにこんな砂浜を歩くのは不可能だ。
家族連れキャンパーは南に200メートル程で、こんな所まで来るはずがない。
しかも足音は東側から聞える。・・・第一、これは(生きてる)人間か?
俺の頭はパニック状態。


104 :2/2:2005/08/30(火) 01:54:45 ID:8q2eIjMJ0
足音は既にテントの外数十センチまで近づき、俺達のテントの周りを時計回りに回り始めた。
「どう考えてもヤバイ!」
友達に声をかけようと思ったが、大声を出すのも怖い。
しかも友達は俺に足を向けて寝ているので、頭部までの180センチ程度が異様に遠く感じる。
この状況で寝袋から出る勇気もない俺は、尿意も忘れ、寝袋にすっぽり頭を入れ、
足音が聞こえなくなるまで我慢する事にした。
しかもその足音、テントを一周する毎に俺の所で停まり、1~2回テントの布を押していく。
テントの骨組が歪み、「ギシィィ」と嫌な音が響く。
俺は必死に脳内で歌を歌いながら、寝るんだ!寝るんだ!と繰り返し、
ふと気が付いた時には、外も明るくなっていた。

俺は尿意を我慢していた事を思い出してテントの外に飛び出し、なんとか粗相をせずに済んだ。
ホッとしてテントに目を向けて愕然とした。
テントの周りには、何週したか分からないほどの足跡があり、
それは海の方から来て、また海の方に戻っていた。

俺は友達3人を叩き起こし、事情を説明して、逃げるようにその海岸を後にして、
その日は他のキャンパーが沢山いる、公共のキャンプ地に泊まった。


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引用元:死ぬほど洒落にならない怖い話集めてみない?108