キャンプ(その後)

    提供:Wikiminati


    567 :キャンプ (その後)1:2009/05/05(火) 19:13:50 ID:eozpO8580
    昨日>>410から『キャンプ』という題名で、体験談を書いた者です。
    時間が出来たので、後日談を書きます。

    ちなみに、『直接的には何も無かった』『間接的に色々あった』というのは、
    実害がなかっただけで、俺とA、Bにも、その後怪奇現象?というか何と言うか、恐ろしい体験はしました。
    留学生2人に関しては、又聞きで色々聞いているのだけど、それも長いのでまた後日にします。

    キャンプからもどってから数週間、その間は特に何も無く、
    課題をこなしたりレポートをしたり、バイトをしたり遊びまわったりと、平和な日々が続いていた。

    事件から1ヶ月くらいたった夏休みの終わり頃、
    (ややこしくなるので最初に説明しておくと、俺は学生専用のアパートに住んでいて、AとBも同じアパートの住人)
    昼過ぎにBとAが俺の部屋を訪れ、ゲームをしたり漫画を読んだりとゴロゴロしていると、
    下の階の住人(以下“住”)が俺の部屋へやってきた。
    ドアを開けると、
    住「何やってるのか知らないけど、五月蝿いんだけど」
    俺「そんなに大音量でやってるつもりなかったけど、ゲームの音五月蝿かった?それとも声が五月蝿かった?」
    住「いや、そうじゃなくて。さっきからお前ら、部屋の中を大人数でバタバタ歩き回って、何してるんだよ」
    俺「別にバタバタ歩き回ったりしてないんだが…ずっとゲームやってたし…
     まあ気になったならすまん。静かにする」


    568 :キャンプ (その後)2:2009/05/05(火) 19:14:41 ID:eozpO8580
    それで下の階の住人は帰ったんだが、何か変だな?とは思いながら、
    AとBには、「下から苦情が来たのでちょっと静かにしよう」と言っておいた。

    30分くらいすると、また部屋のチャイムが鳴った。
    出るとまた下の階の住人で、今度はかなり怒っている。
    住「お前らいい加減にしろよ。バタバタ歩き回ったり、ブツブツなんか聞こえてきてウザイんだけど。
     こっちはレポート纏めてる最中なのに、集中できないんだけど」
    窓締め切ってかなり静かにしていたのに、こういわれて何か釈然としないが、まあもめるのも嫌なのでこう返した。
    俺「そりゃ悪かった。注意してたつもりなんだけど、まあいいや。
     俺達これから出かける事にするわ。それなら問題ないだろ?」
    そもそもこのアパートは結構新しく、そんなに音が響くわけ無いし、
    最初に注意されたとき以来、かなり静かにしていたのに、理不尽だなと思いながら、
    AとBに事情を話して、でかけようと切り出した。
    今から考えると、今まで結構騒いでもどこからも苦情がなかったので、
    この時に変だと気付くべきだったかもしれない。

    時間は午後2時頃。
    とりあえずゲーセンとかに行って、暇つぶしでもしようということになり、俺達はアパートを出た。
    それからゲーセン行ったり買い物したりと時間をつぶし、ファミレスで晩飯を食っていると、
    今度はアパートの管理会社から、携帯に電話があった。


    569 :キャンプ (その後)3:2009/05/05(火) 19:15:36 ID:eozpO8580
    不「○○を管理している○○不動産の者ですが、○○○号室の○○(俺)さんでしょうか?」
    俺「そうですけど、何ですか?」
    不「実はそちらの部屋が五月蝿いと苦情がありまして、お伺いしたのですが、ご不在のようなのでお電話しました」
    俺「ああ苦情来たので、昼過ぎから出かけていました。以後注意します」
    またかよ…と思い、俺がうんざりしながら答えると、不動産屋が変な事を言い出した。
    不「昼過ぎというと、何時頃からですか?」
    俺「確か2時か2時半頃だったと思うんですが」
    不「それは間違いないですか?注意して欲しいと苦情の電話があったのは、6時過ぎ頃なのですが…」
    今の時間は午後8時過ぎ。あれから一度も帰っていないので、どうもおかしい。
    AとBに事情を話し、不動産屋には今から帰るので、部屋の前で待ち合わせする事になった。

    アパートに着くと不動産屋(30歳くらいの女の人)が待っていて、
    苦情の電話をしてきたのがやはり下の階の住人だったので、まずそこへ行く事となった。
    出てきた下の階の住人はやはりかなり不機嫌で、話によると、
    あれから暫らくは静かだったが、5時過ぎ頃からまた五月蝿くなり、
    注意しても誰も出てこないので、管理会社に電話をしたらしい。


    570 :キャンプ (その後)4:2009/05/05(火) 19:16:29 ID:eozpO8580
    俺があの時に出かけたまま帰っていないことを話すと、最初は疑っていたが、
    買い物をしたときと、ファミレスで飯を食ったときのレシートの時刻を見せると、流石に納得した。

    不「あの…もしかして空き巣では?」
    住「さっきまで五月蝿かったから、まだいるかも」
    A「マジかよ…○○(俺)、お前鍵ちゃんとかけたか?」
    俺「ちゃんと掛けたけど、お前も見てただろ。つーか、俺の部屋入って何盗むんだよw」
    B「とりあえず部屋に行ってみて、確認すればはっきりするんじゃね?」
    ということで、俺とAとB、それと不動産屋と下の階の住人で、俺の部屋へ行ってみる事となった。

    俺の部屋に着くと、予想通り鍵は掛かっていた。
    空き巣が鍵をした可能性もなくはないので、俺が鍵を開けて中の様子を見たが、玄関から見た範囲におかしなところはない。
    全員で俺の部屋に入り、部屋の中やユニットバスの中なども調べたが、矢張りなにもない。
    出て行く前に飲んだジュースのペットボトルとかもそのままで、人が入ったような痕跡はまるで無い。
    下の階の住人は何か釈然としない顔をしていたが、人がいた痕跡は全く無いのが現実で、
    どこか他の部屋の音を、俺の部屋の音と勘違いしたのでは?などと話していると、
    玄関横のユニットバスの部屋から、
    …ズズズズズ…
    …ガコッ…ガコッ…
    と、変な音が微かに聞こえてきた。


    572 :キャンプ (その後)5:2009/05/05(火) 19:17:14 ID:eozpO8580
    俺「何?風呂場からだよな?」
    B「さっき見たときは何も無かったけど…」
    不「何か臭くないですか?」

    とりあえず中を確認しようと、扉を空けた瞬間、異様に生臭いというか、腐臭に近い臭いがしてきた。
    鼻を押さえて中を覗き込むと、バスタブの排水溝から、黒い液体がゴポゴポと湧き上がっている。
    臭いの元はそれらしく、排水溝の奥からガコッ…ガコッ…と、変な音は相変わらず聞こえてくる。
    あまりの臭さに、顔をしかめながら窓を全開にして換気扇を回していると、俺はある事に気が付いた。
    この臭いって、キャンプのときにCとDに塗られた、黒い液体と同じじゃないか?
    俺「A、Bちょっと…この臭いって…」
    A「ああ、お前もそう思ったか」
    B「…偶然だよな…」


    573 :キャンプ (その後)6:2009/05/05(火) 19:17:59 ID:eozpO8580
    そんな話を俺達がこそこそと話ていると、ハンカチで鼻と口を押さえながら不動産屋が、
    「騒音の原因はこれかもしれませんね。
     明日業者に来てもらうので、○○(俺)さんはこちらでホテルを用意します。そちらで一泊してもらえませんか。
     これではここにいるのは無理でしょうし」
    本来ならこの提案は受けるべきなんだが、
    俺は臭さと同時にあの時の恐怖が蘇っていたため、とてもこれから一晩一人で過ごす勇気は無い。
    不動産屋には、「今日はAかBの部屋に泊まるのでそれは良い」と言い、そそくさと全員を部屋から出し鍵を閉めた。
    とてもじゃないが、あの部屋にこのままい続けるのは、臭いもあるがそれ以上に、『やつら』がきそうで恐ろしかったから。

    下の階の住人は、配水管が詰まったか何かして、変な音がしていたのだろうと納得し、
    俺に「誤解をしてすまない」と軽く謝罪をすると帰って行き、
    不動産屋も、明日の予定を軽く説明すると帰って行った。
    残された俺達は、恐らく真っ青な顔をしていたと思う。

    俺「ただの配水管の詰まりかなにかだよな?あれは関係ないよな?」
    A「俺達関係ないだろ…石持ち帰ろうとしたのはCとDだし」
    B「…偶然だろ。ありえねーよ」
    とにかく3人とも「偶然だ」ということで済ませたかったが、臭いが正にそのままなうえに、変な音というのも気になる。
    皆一人で夜を明かすのは恐ろしかったのか、今晩はBの部屋に3人で泊まる事にした。


    574 :キャンプ (その後)7:2009/05/05(火) 19:18:42 ID:eozpO8580
    それからBの部屋で、朝まで起きているつもりだったのだが、
    何か妙に3人とも眠気があったため、1時過ぎ頃寝る事にした。

    深夜3時頃、俺はBに起された。Aも起されたらしい。
    何で起したのか聞いてみると、Bが言うには、
    窓の外から大勢の話し声が聞こえてきていて、それが徐々に近付いてきているらしい。
    聞き耳を立ててみると、確かに何か聞こえる。
    A「神経質になりすぎじゃないか?誰か外で話してるだけだろ」
    B「いや…でも」
    俺「何だよ」
    B「ここ3階だぞ。何で下じゃなくて、横から声が聞こえるんだよ」
    たしかに言われて見ればそうだ。
    気のせいなのかもしれないが、何か気味が悪い。
    ひとまずもう寝ていられないので、
    電気をつけてゲームの続きでもしようと、Aが電気をつけるため天井のほうを見た。
    Aがそのまま絶句して硬直している。
    何事かと俺とBが、Aの見ているほうを見てみると…


    575 :キャンプ (その後)8:2009/05/05(火) 19:19:29 ID:eozpO8580
    何十人という青白い顔が、俺達のほうを無表情に凝視していた。
    体は無い。顔だけが天井に何十と張り付いている。
    「うああああああああああ」
    俺達はもう恐怖心で恐慌状態になり、着の身着のままBの部屋を逃げ出した。

    俺とA、Bは、もう部屋に戻る気になれなかった。
    明るくなったらすぐ、神社かお寺で御払いをしてもらう事にして、
    そのまま恐怖心を紛らわすため、カラオケボックスで日が高くなるまで、無理にハイテンションになって歌い続けた。


    576 :キャンプ (その後)9:2009/05/05(火) 19:20:11 ID:eozpO8580
    午前10時頃、俺達は携帯で、2駅先に神社がある事を調べ、そこで御払いをしてもらうため電車に乗った。
    俺は電車の中である事に気が付いた。
    俺達を見ていた顔、普通の人の顔ではなかった。
    青白いとか死人っぽいとか、そういうのではない。
    おかしかったのは、そいつらの目。
    普通の人の目は大雑把に書くと、
    <◎> <◎>
    だよな。
    俺達が見た顔の目は、
    <◎>が縦になっていた。
    上手く伝わるだろうか?
    目が横に水平では無く、縦に平行になっていた。
    /ヽ   /ヽ
    ◎    ◎
    、ノ   、ノ
    こんな感じ。
    要するに人じゃない。
    後から聞いてみると、AとBもそれに気付いていた。


    577 :キャンプ (その後)ラスト:2009/05/05(火) 19:20:58 ID:eozpO8580
    神社に着き、神主の人に事情を話すと、かなり胡散臭そうな顔をしていたが、
    俺達があまりにも必死な顔で話すので、一応最後まで真剣に聞いてくれて、お払いもちゃんとやってくれた。
    神主の人が言うには、その祠に二度と近付かないなら、多分大丈夫だろうとのこと。
    お払い後は、俺達に妙な事は起きていない。
    もう一つ、キャンプのとき一斉に振り向いた顔。
    それも同じ目をしていた事を、なぜかお払い中に不意に思い出した。

    以上が俺達の体験。
    留学生のCとDに関しては又聞きが大部分だが、色々あったようで、それは最初に書いたように後日。


    580 :キャンプ (その後):2009/05/05(火) 20:04:24 ID:eozpO8580
    書き忘れていました。
    翌日不動産屋から電話があったのだが、業者に見てもらったところ、配管には何の問題もなかったらしい。
    一応何かが逆流してきたのは事実なので、他の部屋や地下の配管も調べたが結局何もなく、
    暫らく様子を見るという事になったとか。
    その後、配水菅の逆流とかは起きていない。
    お払いが効果あったのだと思いたい。

    ちなみに、掃除業者が入って、俺の部屋のユニットバスを綺麗に掃除してくれたのだが。
    暫らく臭いが取れず、臭いが消えるまで俺は、不動産屋の用意してくれたホテルで10日ほど暮らす事になった。
    何か少し得した気分だった。



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    外部リンク[編集 | ソースを編集]

    引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?211

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